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三田学園が報徳学園に1-0で勝利!シュート数3-14、耐える展開も無失点は「彼らが成長してくれた証拠」:兵庫

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三田学園高が耐え抜いて決勝へ駒を進めた

[11.3 選手権兵庫県予選準決勝 三田学園高 1-0 報徳学園高 アスパ五色]

 11月3日、兵庫県洲本市のアスパ五色で、第99回全国高校サッカー選手権大会兵庫県大会の準決勝が行われた。第1試合では、三田学園高と報徳学園高が対戦。三田学園は最初に得たCKをDF永井亮成(3年)がヘディングで押し込み、先制。その後は拮抗し、両チームともスコアを動かせず。1-0のまま耐え抜いた三田学園が決勝戦に駒を進めた。

 早い時間での先制点、そして結果的に決勝点となったゴールが生まれたのは、キックオフから間もない2分だった。三田学園が最初のCKを得ると、右サイドからMF米田和真(2年)の上げたボールが混戦になったところを永井がヘディングで押し込み、先制。大事なチャンスを確実にモノにしてみせた。

 幸先良くゴールを奪ったものの、その後の三田学園は、「セカンドボールを回収できず、ボールを奪い返してもうまく動かせない。報徳のまとまりの良さにずっと押し込まれる苦しい展開になった」(福原幸明監督)。

 一方の報徳学園は、失点したのが立ち上がり間もない時間帯だったことで、「逆に開き直って自分たちのリズムをこれから作っていこうと思うことができた」とキャプテンのMF今西颯太郎(3年)が振り返った通り、時間の経過と共に主導権を握り始める。

 ボールを奪うとスピーディーに繋ぎ、三田学園を押し込んでいく展開に。点を奪えないまま試合を折り返したが、後半もさらに攻撃の勢いを増す。地上で繋ぐだけでなく、ロングパスも用いながら再三ゴール前まで迫るも、ゴール内に収めることができない。

 報徳学園が攻め、三田学園が守るという拮抗した構図のまま試合は進んだ。だが、スコアは動かず試合終了。シュート本数は、三田学園が3本、報徳は14本。この数字からも、報徳学園がどれほどゴールへの強い執念を見せ、三田学園がどれほど長く苦しい時間を耐え抜いたかも伺い知れよう。

 敗退することになった報徳学園は、大会が始まる直前に永眠した背番号14、MF來住晃輔(3年)と共に、最後まで自分たちらしいサッカーを貫いた。今西は「晃輔を全国の舞台に連れて行くことが目標だった」と話し、気持ちを落ち着けるように一呼吸おいてから「申し訳ないという気持ち、そして戦うためのパワーをくれた晃輔に感謝する気持ちの両方を感じています」と続けた。報徳学園の高田秀一監督は、言葉をつまらせながらも「どこに出しても恥ずかしくない、最高の選手たち」だと讃えた。

 勝利した三田学園は、今大会に参加してからの3試合全てで失点のないまま決勝進出。けれど、スーパープリンスリーグ関西の試合では、無失点で終えられた試合は一度もなかった。「2点リードしていても、後半に追いつかれる展開の試合もいくつかあった。今日は早い時間に得点してしまったので、受け身になる時間が長かったけれど、追いつかれずに逃げ切れたのは彼らが成長してくれた証拠だと感じている」と語った福原監督。キャプテンのMF黒瀬太軌(3年)もまた、「チーム全体で粘り強く戦えるようになったことは収穫。決勝へ臨む自信にもなった」と胸を張った。

 準々決勝から準決勝まで中2日、準決勝から決勝まで4日しかないタイトなスケジュール。黒瀬は、「トレーナーの方がストレッチの仕方や食事のアドバイスをしてくれているおかげで、みんなが意識とコンディションを高く保てている」と話し、その感謝の気持ちは「決勝で素晴らしいゲームをして恩返ししたい」と意気込んだ。

(取材・文 前田カオリ)
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