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80分間途切れなかった“声”…4戦連続完封の東海学園、GK岩島巧「仲間に感謝している」

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東海学園高GK岩島巧(3年)

[11.7 選手権愛知県予選準決勝 東海学園高2-0刈谷高 パロ瑞穂]

 4試合連続完封勝利を収めて決勝へと駒を進めた東海学園高。最後方に構えるGK岩島巧(3年)は、声を出し続けて危機を未然に防いでいた。

 4-4-2のシステムを採用する東海学園は、守備に回ると2トップのFW越慎之助(3年)とFW森田澪(2年)が前線からプレッシャーを掛ける。中盤以降が連動して動くことで、相手から自由を奪い取った。仮に自陣深くまでボールを運ばれても、簡単にPA内への侵入を許さない。キャプテンのDF佐藤汰一(3年)を中心とした最終ラインが、まさに体を投げ出してゴールを守り抜いた。

 最後方の岩島が「自分が特に何かをしているわけではない。体を張ってくれるディフェンスラインや、前線からプレスに行ってくれる攻撃の選手に感謝している」と語ったように、GKが神がかり的な好セーブを連発して4戦連続完封を達成したわけではない。フィールドプレーヤーの1人1人が守備の意識を持ち、決してさぼらないことがゴールを守ることにつながっている。

 ここで、大きな役割を果たしていたのが、岩島の声だった。試合開始から終了のホイッスルが吹かれるまで、途切れることなくピッチ上に響く。「後ろから声を出して、皆をうまく動かせばシュートが飛んでくる回数は減ると思う」と味方を巧みに動かしてコースを制限し、たとえシュートを放たれようとも岩島が弾き出す。

 その声は仲間を勇気づけてもいる。「皆を励ます声を出すことで良い流れになると思っているので、声を切らさずに出し続けることを意識している。良いプレーをした時に皆が褒め合えるとか、声を掛け合うことができていると思うので、下を向く選手も一人もいない」。

 決勝でもやるべきことは変わらない。「いつもと変わらず、自分たちの力を出して、皆で集中して声を掛け合えば勝てると思う。自信を持って戦います」。5試合連続完封を達成して、全国に駒を進めたい。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2020

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