beacon

[MOM3303]徳島市立DF渡邉浩章(3年)_県決勝で示した努力の成果

このエントリーをはてなブックマークに追加

徳島市立高DF渡邉浩章は先制ヘッド。守っても無失点勝利に大きく貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.14 選手権徳島県予選決勝 徳島市立高 2-0鳴門渦潮高 徳島市球技場]

 前半4分にDF前田俊(3年)が上げた右CKをドンピシャのヘディングで合わせた先制点を筆頭に、空中戦ではほぼ負けなし。2-0のスコア以上に苦しい試合展開となった徳島市立高が全国への切符を掴めたのは、DFリーダーであるDF渡邉浩章(3年)の存在が大きい。

 自身の先制点を含め、序盤は「立ち上がりは前に行けて、点も獲れたり、良い内容だった」。しかし、前半の半ばからは中盤と前線がかみ合わず、ボールロストからカウンターを受ける場面が散見した。

 鳴門渦潮高はドリブラーのFW八木脩斗(3年)や、俊足のFW越久琉輝亜(2年)への配球を狙ったが、渡邉がきっちりヘディングでクリア。自陣でボールを持たれても、味方とのチャレンジ&カバーで決定的な仕事をさせなかったが、「攻撃への意識が強く、対応が遅れる場面が多かった」と反省を口にした。

 7分にFW石井嵩也(3年)が2点目を奪ってからは、渡邉を中心とした3バックでボールを動かす機会も増加したが、「回すだけじゃなくて、前に当てないと攻撃が始まらない」とコメント。最後まで反省の言葉が目立ったが、河野博幸監督は「県の予選では珍しく落ち着いてボールが動かせていた。中学までは、足元の技術がなかったので、『そんなことまで出来るようになったんだ』と思いながら見ていた」という。

 大人しい選手が多い今年のチームにおいて、「声が出せる方なので、自分が引っ張って行こうと周りに声掛けながらやってきた」と話す渡邉の存在は貴重だ。相手に押し込まれる時間が増え、前半のようなクロスを上げる回数が減ったこの日の後半は、ミスして落ち込むではなく、気持ちを切り替えるように声を掛け続けたという。

 主力として経験した昨年のインターハイ、選手権ともにベスト8という成績を超えるため、今年は努力を続けてきた。一番の変化は、肉体面とビルドアップの面。「勝てる気がしなかった」と振り返る尚志高DFチェイス・アンリ(2年)のような身体能力が高い選手に勝つため、今まで以上に筋トレを頑張ってきた。その結果、体重は2kgアップ。70kgを上げるのが精いっぱいだったベンチプレスも90kgまで上げられるようになった。そうした取り組みが実を結び、抜け出した相手に身体負けしないようになったという。

 確かな成長によって、自信を掴む一方で、「このままだと1回戦で勝つのが精いっぱい」と危機感も感じている。目標の全国ベスト4を達成するため、個人としてチームとして更に一皮むけるつもりだ。

(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP