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新生・流経大柏は千葉決勝で涙。継承と新たな挑戦続けて再び全国の頂点へ

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獅子奮迅の働きを見せていた流通経済大柏高MF藤井海和主将

[11.15 選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 0-1(延長)市立船橋高 フクアリ]

 榎本雅大監督就任1年目で全国制覇を目指した流通経済大柏高の夢は、千葉決勝で潰えた。立ち上がりは緊張もあってか、硬い入りに。球際の攻防でも市立船橋高の出足に劣るようなシーンが続いてしまう。
 
 その中でMF藤井海和主将(3年)が先頭に立ってプレー。スライディングタックル、相手への激しいチャージなど背中で仲間を奮い立たせていた。少しずつではあるものの流経らしさが出てきたチームは、FW川畑優翔(2年)が前線でボールをおさめ、一発のあるFW森山一斗(3年)が相手のミスを突く形で市立船橋に冷や汗をかかせるようなシーンもあった。

 そして、右SB清宮優希(3年)がまるでウイングかのような位置取りで攻撃に絡む。だが、市立船橋の堅守をなかなか切り崩すことができない。千葉内定GK松原颯汰(3年)のビッグセーブなど無失点を続けていたが、80分間における公式記録上のシュート数は1本。延長戦に入ると森山がカットインシュートを続けて見せ、交代出場の松浦陸翔(3年)やFW新宮海渡(3年)が前線に迫力を加えていたものの、最後まで1点を奪うことができなかった。

 松原を擁していることもあり、PK戦になれば優位だったかもしれない。だが、延長後半10分に一瞬の隙を突かれて失点。宿敵・市立船橋に屈し、全国舞台には手が届かなかった。

 流経大柏を全国有数の強豪に育て上げた本田裕一郎監督(現国士舘高テクニカルアドバイザー)が昨年度限りで退任。バトンを受け取った榎本監督は「張り切っていたんですけれども自分の中では。本田先生の偉大さに気づきながらの毎日だったんですけれども、張り切っているところでコロナの影響でできなかったり。行こうとして行けないみたいな歯がゆさみたいなものはあった」と振り返る。

 ただし、コロナ禍によって、選手たちが自分たち発信で成長。「プレーヤーズファースト」を打ち出してきた中で変化した部分はあった。よりボールを大事にしながら戦う攻撃スタイルを出せた部分もある。榎本監督は「本田先生が作り上げてくれた流経らしさがある。それを継承しつつ、新しいことにトライしようとやってきた1年だった。それは続けてやっていきたいと思います」。07年度以来となる選手権優勝を本気で目指していただけに、悔しさはもちろんある。だが、新生・流経大柏は悔しい敗戦も糧に、これから大きく羽ばたく。

(取材・文 吉田太郎)
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