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際立つ空中戦の強さの源はバレーボールにあり。市船のブレイク候補、DF針谷は目標達成と飛躍の大会に

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市立船橋高のブレイク候補、2年生DF針谷奎人

 バレーボール部で磨いた跳躍力と対人守備の強さで全国のFWを封じ込む。市立船橋高の2年生DF針谷奎人は12月31日に開幕する選手権のブレイク候補の一人。流通経済大柏高との宿敵対決となった千葉県予選決勝では、抜群の跳躍力を発揮してハイボールを何度も跳ね返すなど、100分間印象的な動きを見せ続けて1-0の勝利に大きく貢献した。

 今年、針谷はプレミアリーグ関東の全7試合で先発フル出場。高さと左足フィードに自信を持つDFは、市立船橋にとって欠かせない存在の一人となってきている。背番号は「16」。今年守備の柱の象徴である「5」を背負うDF石田侑資主将(3年)が昨年つけていた番号が「16」であり、針谷は次期「5」としての期待にもしっかりと応える一年にしている。

「石田さんという凄いキャプテンがいて、その後の16番をつけさせてもらっている。守備の要になっていかないといけないですし、チームを鼓舞するという意味でも引っ張っていかないといけないなと思っています」

 身長は178cmで特別な高さがある訳ではない。それでも、空中戦の強さが印象的だ。その跳躍力の源は浅草中時代にあった。針谷はアーセナルSS市川U-15でプレーしていたが、1年間バレーボール部に所属。「中学の時にバレー部に1年間だけ入って練習をやらせてもらって、普通の選手なら片足で跳ぶんですけれども、自分は両足で跳ぶのでああいう高さが出ていると思います。バレー部の顧問の先生に呼ばれて『入部してくれないか』と言われて週2でオフだったので入ってみようかなと」。練習に加えて、練習試合にも出場したという針谷は、高い打点で跳躍するコツや空中感覚を身に着けた。

「ヘディングに関しては本当にバレーボールをやっていて良かったと思います。垂直跳びが(明らかに)変わりました」。バレーボールきっかけの両足ジャンプは、強豪チーム相手にも通用する武器に。全国大会でもその強みを発揮するつもりだ。

 針谷は高校からのプロ入りを目指している。千葉県予選決勝ではU-17日本代表候補に選出されたFW川畑優(2年)翔に決定的な仕事をさせず、自分自身の代表、プロ入りへの欲も高まった。選手権は全国制覇を目指すと同時に「16」をアピールさせる大会。プロ入り濃厚の石田に比べると、まだまだ「声の量や質が違います」と自己分析しているが、その隣で学びながら堅守を続けて目標達成と飛躍の大会にする。

(※市立船橋高の協力により、リモート形式で取材をさせて頂いています)

(取材・文 吉田太郎)
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