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“想定外”だった2点リードの展開…高川学園は昌平を追い詰めるも初戦敗退

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昌平MF須藤直輝と競り合う高川学園MF新山大地(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権1回戦 昌平高 2-2(PK8-7)高川学園高 NACK]

 勝利まであとはアディショナルタイムを残すだけだった。高川学園高(山口)は前半7分にFKからこぼれ球をFW中山桂吾(2年)が押し込み、先制点。後半29分にはカウンターからMF清永和暉(3年)が追加点を決め、昌平を相手に2-0とリードを広げた。

 Jリーグ内定4選手を擁するなど個人技で自分たちを上回る相手に対し、これまでの4バックではなく3バックを採用した高川学園は高い位置からの積極的なプレッシングと球際での強さを見せ、昌平に自由を与えなかった。「相手チームの分析をした部分もあったし、それを信じてくれた選手たちがピッチで表現してくれた」。そう指摘する江本孝監督にとって、“想定外”だったのは2点をリードするという展開だった。

「正直なところ、2-0でいくという予想はついてなくて、面白いぐらい選手たちが我々の予想を上回るような戦いをしてくれた。それは素晴らしかった」。狙い以上の試合運びを見せた選手たちだったが、2-0となって勝利が現実味を帯びてきたところで「ラスト5分の戦いで少し弱気な部分が垣間見えた」という。後半40分に1点を返された場面は自陣でのバックパスをMF須藤直輝に奪われたところから始まった。この1点で昌平を勢い付かせてしまい、後半アディショナルタイムに同点ゴール。そしてPK戦で力尽きた。

 MF新山大地主将(3年)は「試合をやる前から相手をリスペクトし過ぎるなと言われていた。同じ高校生だし、勝てば自分たちが注目もされる。ただ、最後の5分間の守り方は課題として残った」と振り返った。昌平をあと一歩のところまで追い詰めながらの初戦敗退。悔しくないわけがない。それでも「どこよりも練習して、どこよりも走ってきた自信はあった。それをこの舞台で少しは発揮できたことをプラスに考えたい」と胸を張った。

(取材・文 西山紘平)

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