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山形県勢14連敗…日大山形はPK戦で再び敗退も、MF大河原が鮮やかFK弾で県勢10年ぶりゴール

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後半6分、日大山形高MF大河原陽が右足FKを決めて同点に追いつく

[12.31 選手権1回戦 日大山形高 1-1(PK3-5)近江高 ニッパ球]

 紙一重の敗戦だった。5年ぶり出場の日大山形高は、5年前と同じくPK戦の末に初戦敗退。選手たちは選手権13連敗中だった山形県に白星をもたらそうと奮闘したが、あと一歩のところで掴むことができなかった。

 0-1の後半6分には、ゲーム主将のMF大河原陽(3年)が自ら獲得したFKを右足で決め、山形県勢にとって10年ぶりとなる1点。左利きのFW佐藤秀吏(3年)がフェイントを入れることで相手GKの重心を傾け、大河原がフカさないことを意識してシュートを左隅に沈めた。

 矢作直樹監督も「結構良いFKを決めてくれる選手ではあったのでちょっと期待していました。良く大舞台で決めてくれたと思います」と讃えるファインゴール。だが、大河原は「ゴールという結果を出せたことは嬉しいんですけれども、試合に勝たないと意味がないので」と悔しがっていた。

 立ち上がりに失点も守備から立て直し、怪我から復活した主将のDF阿部真珠(3年)やGK横田海以(3年)中心に2点目を許さなかった。大河原の同点ゴール後は前線でボールを収める佐藤やドリブル鋭いMF金子達海(3年)が攻撃を牽引する形で前への迫力が向上した。その後押し返される中でPK戦へ持ち込んだが、惜敗。1勝の壁は高かった。

 矢作監督は「ここで勝つか負けるかというのは凄い大きいところで、特に山形県勢は連敗していて、5年前ウチが出た時もPKで負けて、今回もPKで負けて、なかなか山形県の連敗を止められなかったということは責任を感じますけれども、選手たちは良くやってくれた」と選手たちを評価。1点を奪い取ったことも今後の山形勢の戦いに繋がるはずだ。

 大河原は「あとの一歩のところの壁が厚いと思ったので、来年から山形県勢には頑張って欲しいです」。日大山形の後輩たちが来年こそ、壁を乗り越える。

(取材・文 吉田太郎)
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