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スーパー1年生FW福田が劇的Vヘッド!! 神村学園、苦しみながらも近江退け3回戦へ

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神村学園のエースナンバー「14」を付けるMF大迫塁(1年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 近江高0-1神村学園高 ニッパ球]

 第99回全国高校サッカー選手権は2日、各地で1回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場の第1試合では近江高(滋賀)と神村学園高(鹿児島)が対戦した。U-17日本代表FW福田師王(1年)が後半39分に劇的な決勝ゴールを挙げ、神村学園が1-0で勝利。あす3日の3回戦では富山一高(富山)と対戦する。

 1回戦で日大山形高(山形)を破り、初出場初勝利を挙げた近江が主導権を握り続けたが、神村学園が終了間際にチャンスを仕留めた。近江は3-4-2-1、神村学園は4-1-4-1の布陣。有村圭一郎監督は「システム的なミスマッチをうまく使われて、最後まで修正できず、ずっと相手の畑でサッカーをしてしまった」と試合を振り返った。

 近江は両ボランチのMF森雄大(3年)とMF前田陸(3年)を中心にボールを回してプレスをいなし、試合の流れを引き寄せる。神村学園はアンカー脇のスペースを使われて後手を踏み、幅を使った攻撃を仕掛けるも、近江両ウイングバックのDF那須日夏留(3年)とDF宮田遥斗(3年)が下がった5バックで対応された。

 前半36分、近江は前田のパスを受けた森がフィニッシュに持ち込むと、その直後、背後のスペースを突いた神村学園がカウンターアタック。エースナンバー「14」を付けるMF大迫塁(1年)がドリブルで持ち上がると、PA手前の位置で左足を振り抜き、低い弾道のミドルシュート。決定的な形だったが、これはGK山田和季(3年)の好セーブに阻まれた。

 後半も近江が巧みなパス回しで試合を進め、MF山中亮弥(3年)のスルーパスで抜け出した前田がシュートを打つなど押し込む。劣勢の神村学園は4-1-4-1から4-2-3-1にシステムを変更し、両サイドバックはワイドに開いた位置をとった。後半27分、近江は左WBの那須がFW岡島翔生(3年)とのワンツーから強烈なシュートでゴールを強襲。その直後、神村学園も高さとフィジカルを生かした福田のポストプレーからMF小林力斗(3年)がフィニッシュに持ち込んだ。

 近江は後半31分、縦パスを胸トラップでおさめた山中がクロスを供給すると、MF冨板優馬(3年)が右足を伸ばしてGKより先に合わせる決定機を迎えたが、ゴールカバーに入った神村学園DF稲田翔真(3年)がぎりぎりでスーパークリア。近江はハードワークを完遂してシュートを連発したが、フィニッシュの精度を欠いた。

 PK戦が見えてきた時間帯までゴールレスだったが、最後に劇的な展開が待っていた。後半39分、右サイドから小林がクロスボールを供給すると、ニアサイドの福田が強烈ヘッドで叩き込んだ。スーパールーキーが値千金の決勝ゴール。エースが決定力を示した神村学園が1-0で競り勝ち、17年度以来、3大会ぶりの3回戦進出。昨年度2回戦で敗れた富山一とのリベンジマッチへ、主将のMF永吉飛翔(3年)は「絶対に借りを返す」と意気込んだ。

(取材・文 佐藤亜希子)
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