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前回3得点、プリンス関東、選手権予選でゴール連発の矢板中央FW多田が得点王と日本一に挑戦

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矢板中央高のエースFW多田圭佑

 選手権は大事な場面、大事な試合でストライカーの仕事をする――。

 1月2日に選手権初戦(対徳島市立高)を迎える矢板中央高(栃木)のエースFW多田圭佑(3年)は、当時2年生だった前回大会でチームトップタイの3得点。今年は「コロナ(の活動休止が)明けてからはコンディションとか全然上がらなくてプリンスの最初の方とか全然点入らなかったんですけれども、(選手権)予選の前くらいからどんどん上がってきて良い感じなってきましたね」と振り返るように、選手権予選は4試合で6ゴールと活躍し、プリンスリーグ関東も4戦連発を含む6得点と得点王争いを演じた。

 今年はエースとして結果を残してきた。だが、あと少しのところを突き詰めなければならないと考えている。これまで、わずかなところで悔しさを経験してきているからだ。前回の選手権は優勝校・静岡学園高と対戦した準決勝でよく守ってくれていたDF陣の奮闘に応えることができず、0-1で敗戦。今年のプリンスリーグ関東は最終節で連続ゴールが止まって1点差で得点王を逃し、選手権予選も最も大事な決勝で無得点に終わり、チームはPK戦の末の優勝だった。

 県予選決勝はマークにつかれる中での試合だったが、縦パスからDF2人を外して強烈なシュートを撃ち込んだり、クロスからクロスバー直撃のヘッドを放つシーンもあった。必ず1チャンスは来ると信じて戦い、訪れていたチャンス。だが、「チャンスの時に集中しきれていなかったというか、点を獲るために獲れる準備ができていなかったかなと思います」と首を振る。

 細部を突き詰めて選手権へ。自覚も増し、今までならばパスを選択していたような場面でシュートを打ち切るようにもなってきた。高橋健二監督も「期待しています。チームも決めないと上にいけない」。関東の強豪大学へ進学予定の多田だが、本人はJクラブ加入内定選手たちと大きな差があるとは思っていない。選手権で「得点王、狙いたいです」。貪欲にゴールを狙い続ける。

 多田は「チームが苦しい時に点を獲れる選手になりたいですね。10番着させてもらっているので、みんなが頑張ってゼロで抑えてくれるのを信じて、自分は前で身体を張って点を獲りたいです。マークも外せるし、PAの動きだったらできるんで自信を持っている。自分は背も高くないですし、一瞬のスピードとかで勝負したいですね」。今回はDF陣の頑張りに必ず応えて、自身のゴールで目標の日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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