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[MOM3356]青森山田MF松木玖生(2年)_前回大会4ゴールの2年生エースが挨拶代わりの一発

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青森山田は後半5分、MF松木玖生が左足で先制点を決める(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 広島皆実高 0-2 青森山田高 駒沢]

 ここぞという場面で結果を残すのがエースのエースたるゆえんだ。守備時には6バックで守りを固める広島皆実(広島)を攻めあぐねた青森山田高(青森)だったが、スコアレスで折り返した後半5分に試合は動く。中央からMF小原由敬(2年)がPA内右に浮き球のパス。相手の背後を取ったDF内田陽介(3年)のマイナスの折り返しをMF松木玖生(2年)がワントラップから左足でゴール左隅に流し込んだ。

「試合が始まる前から監督からシュートはふかさないように、枠を狙って打てと言われていた。冷静にシュートを打つことができた」。均衡を破る値千金の先制点。直後の後半10分にはMF安斎颯馬(3年)のスーパーゴールで2-0と突き放し、2シャドーを組む“ダブルエース”のゴールで初戦を突破した。

 これには黒田剛監督も「2点ポンポンと取れたことは試合を気持ちよく進めるうえで大きかった」と称えたが、松木のプレーについては「前半はどちらかというと、個で点を取りたかったのか、2人(松木と安斎)の連係があまり出てこなかった」と指摘する。

「ハーフタイムでも指摘したが、一人でできることは何もない。チームとして、グループとして局面を打開すること。どっちが点を取ろうが、だれが点を取ろうが、みんなが点を取るのが青森山田のサッカーだと話した」

 黒田監督のゲキが後半の得点につながったのだろう。「自分と安斎のコンビネーションのところを注意されて、後半に改善できたのは良かった」と松木。「前半はパス交換が少なかったけど、後半になるにつれてパス交換も多くなったし、常に近い位置という部分はイメージできたので、明日も継続してやっていきたい」と、後半のパフォーマンスを3回戦の帝京大可児戦につなげるつもりだ。

 前回大会は1年生ながら4ゴール。今季は10番を背負う2年生エースについて黒田監督は「性格的にも勝気なので、『俺がやってやろう』という正義感が全面的に出た部分もある」と理解を示し、「ここ一番のところでしっかりコースを狙って蹴れたのはさすが」と、得点シーンについては手放しで称賛した。

 昨年を上回る活躍が期待される中、個人の得点数について「特に目標はない」と言い切る松木。「チームに一番貢献したいと思っている。それが自分のゴールだったら光栄なこと。まずはチームに一番貢献することを意識している」。準優勝に終わった前回大会の悔しさを晴らすためにも、チームの王座奪還しか頭にはない。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2020

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