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木内が2戦連発! 市立船橋が”ウノゼロ”で那覇西退けて5年ぶり3回戦へ

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石田侑資主将を中心に市立船橋高が今大会初の無失点(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 市立船橋高1-0那覇西高 フクアリ]

 2日にフクダ電子アリーナで行われた第99回全国高校サッカー選手権2回戦、市立船橋高(千葉)対那覇西高(沖縄)は、市立船橋が1-0で勝利。仙台育英高(宮城)との3回戦に進出した。

 1回戦ではともに4ゴールを挙げての勝ち上がり。1回戦から中1日で試合が続く中、市立船橋の波多秀吾監督は「多くの選手に出場機会を与えたい」と先発を入れ替えて、FW平良碧規(2年)とMF丸山侑吾(1年)が2トップに並んだ。

 前半にスコアを動かしたのは、青いユニフォームの市立船橋だった。19分、MF佐久間賢飛(3年)がGK伊良皆孝太(3年)のパスを敵陣でカットすると、DF木内拓海(3年)へ横パスを出す。背番号3の右足から放たれたシュートは、弧を描いてゴール右隅に吸い込まれる。木内の2試合連続の得点で、市立船橋が先制に成功した。

 初戦でも先制点を許していた那覇西は、焦れずに好機をうかがった。31分にはロングボールをMF照屋圭人(3年)が競り合い、それを拾ったFW石川元尋(2年)がMF上原琉暉(3年)に送るも合わせることはできず。それでも流れたボールを逆サイドのMF上原琉暉(3年)がペナルティエリア内で右足を一閃。抑えの効いたシュートがゴールに向かったが、GK細江彦太(3年)の好セーブにあってしまった。

「リスペクトはするけど勝利を目指す」と平安山良太監督が掲げたように、「攻撃的ディフェンス」で怯むことなく勝負を挑んだ那覇西。指揮官は「(前後半40分の途中で)飲水タイムがあるので、20分4本と考えていた」とペース配分を考えていたという。後半20分の飲水タイム後には「残りの20分はさらにギアを上げよう」とそこから交代枠4つを使い切って攻勢をかけたが、最後まで1点は遠かった。堅守・イチフナを攻略することができず、3大会続けて2回戦で涙をのんだ。

 沖縄県予選の全5試合で失点しており、「守備を課題にしてきたチーム」だった那覇西。主将のMF山川樹(3年)は「いままで一番いい守備ができた。1失点してしまったんですけど、それが上に行くチームとの差だった」と最後の選手権を振り返った。

 勝利した市立船橋のDF石田侑資(3年)主将は、「試合運び、プレッシング、ラインコントロール」と課題が多かったと表情を崩さず、「上にいくほどスキをつかれる」と兜の緒を締めた。「パスワークとプレッシングに大変苦しめられた」という波多監督も、「1点とれてなんとか守りきれたのは評価できる」と”ウノゼロ”の結果には一定の評価を示していた。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2020

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