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指揮官「本当に感謝しかない」…初出場・学法石川の先頭立ったDF大津平嗣「この経験を生かしていく」

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学法石川高(福島)DF大津平嗣(3年=右)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 全国高校選手権2回戦 学法石川高1-1(PK3-4)創成館高 NACK]

 初出場校同士の一戦。先制して優位な立場に立った。しかし、PK戦の末に敗れた学法石川高(福島)は、大会から姿を消すことになった。主将のDF大津平嗣(3年)は「この経験を、これから先に生かしていきたい」と気丈に前を向いた

 前半をスコアレスで折り返すと、後半12分にMF渡辺航大(3年)がネットを揺らして先制に成功。「前半はゼロで耐えて後半勝負というプランがあった。前半ゼロで行けて、後半は良い流れで1点取れた」。まさにプラン通りの試合運び。しかし、3分後の同15分、「集中が一瞬切れてしまい、その隙を突かれた」と創成館に同点ゴールを献上してしまう。

 その後、勝ち越しゴールは生まれずに1-1のままPK戦に突入。学法石川の1番手を務めたのが大津だった。しかし、右足から蹴り出したボールは無情にもゴール上に外れてしまう。そして、5人目を務めたMF衣川佳佑(3年)のシュートがGKにストップされ、PK戦を3-4で落としたチームの2回戦敗退が決まった。

「PKを自分が外してしまった。すごく悔しい」

 悔しさを滲ませた主将に対し、稲田正信監督は労いの言葉を贈る。「(PKを外した)彼ら2人がこのチームを作り、引っ張ってくれた。本当に感謝しかない。他の選手たちも後悔ないと思う。大津は大学からプロになる目標がある。サッカー人生の次への一歩だと思うので、4年間応援したい」。

 大津ら3年生の高校サッカーは終わりを迎えた。しかし、この先も道は続いていく。「後輩たちにはこの悔しい思いを共有してもらい、来年、再来年とこの舞台に戻ってきて、次は全国大会で初勝利をモノにしてほしい」と後輩にエールを送ると、「これから先、大学でも勝負してプロになりたいと思っている。悔しさを糧にして活躍していけたらと思う」と決意新たに視線を前へと向けた。

(取材・文 折戸岳彦)
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