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[MOM3365]東福岡DF竹内良(3年)_80+3分の劇的弾!ヒガシが誇る「百発百中」のセットプレー職人

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東福岡高のDF竹内良(左)とMF岩井琢朗(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 作陽高 1-2 東福岡高 等々力]

 PK戦での決着も視野に入る後半アディショナルタイム3分、東福岡高の決勝ゴールは「百発百中のセットプレー職人」から生まれた。

 起点は敵陣左サイドでのFK。MF上田瑞季主将(3年)の蹴ったボールは相手GKのパンチングに阻まれたが、こぼれ球を拾ったMF遠藤貴成(3年)が再び前線に送ると、MF岩井琢朗(3年)が頭でそらしたところに反応したのが途中出場のDF竹内良(3年)だった。

「残り少ない時間で結果を残そうと思って試合に入った」(竹内)。完璧なタイミングで頭を振って叩いたシュートは相手GKの頭上を超えてゴールマウスへ。その瞬間、ピッチ上の“赤い彗星”たちは真っ先にベンチへと向かい、控えメンバーとともに歓喜を爆発させた。

 運命の歯車が少しでもズレていれば、このドラマはなかった。1-1で迎えた後半34分、東福岡は右サイドを作陽高に崩されてPKを献上。だが、このPKを相手キッカーが失敗したことで、この時点ではウォーミングアップもそれほどしていなかったという竹内が急きょ指揮官から呼ばれた。

 本職はサイドバックで「オーバーラップと高い打点のヘディングがストロングポイント」という竹内だが、最大の強みはセットプレーの仕上げだ。「日々の練習でもセットプレーは百発百中で入るので、意識しながら試合に入っている」といい、上田主将も「ああいうところで常に決めている。職人と言われているヘディングの強さ」と紹介していた。

 また、大勝負に投入されるほどに「持っている」という自覚はあった。9月26日に行われたスーパープリンスリーグ九州第4節の大分U-18戦でも、竹内は後半アディショナルタイム6分に劇的な勝ち越しヘッドを決め、チームを2-1での勝利に導いていた。奇しくも、この時にアシストしたのも岩井。竹内は「相性が合うのかなと思う」と振り返った。

 3日には3回戦の神村学園戦が待ち構えており、一発勝負の厳しい戦いはこれからも続く。そうした中、東福岡のベンチに控える“セットプレー職人”への期待は今後さらに高まりそうだ。

(取材・文 竹内達也)

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