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「苦しいときに効果がある」ロングスローから3発!!青森山田が粘る帝京大可児を振り切り8強へ

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前半13分に同点ゴールを決め、ガッツポーズを見せる青森山田DF藤原優大(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.3 選手権3回戦 帝京大可児高 2-4 青森山田高 駒沢]

 第99回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行い、駒沢陸上競技場の第2試合では青森山田高(青森)が帝京大可児高(岐阜)と対戦し、4-2で勝った。5日の準々決勝では堀越高(東京A)と対戦する。

 先手を奪ったのは帝京大可児だった。前半7分、中央のMF遠藤颯(3年)がPA内右のMF三品直哉(2年)にパス。三品はワントラップから左足を振り抜くと、シュートは右ポストに当たってゴールマウスに吸い込まれた。

 しかし、王座奪還を狙う青森山田がすぐさま同点に追いつく。前半13分、左サイドからDF内田陽介(3年)が得意のロングスローを放り込むと、DF藤原優大主将(3年、浦和内定)がニアで合わせ、ファーサイドへヘディングシュートを流し込んだ。

 1-1で迎えた前半終了間際の39分には再び内田のロングスローから勝ち越しに成功する。左サイドからのロングスローがゴール前にこぼれ、FW名須川真光(3年)が左足でシュート。これをゴールライン上で帝京大可児の遠藤がブロックしたが、ピッチに倒れ込んでいたMF松木玖生(2年)が倒れたまま左足でボールを押し込んだ。

 松木の2試合連続ゴールで2-1と逆転した青森山田は後半10分、MF小原由敬(2年)に代えてMF藤森颯太(2年)を投入。すると後半20分、みたびロングスローからゴールを奪った。左サイドから内田が放り込み、こぼれ球を藤森がシュート。ゴール前にこぼれたところをMF安斎颯馬(3年)が右足で狙い、GK原幸大(2年)が弾いたボールをDF秋元琉星(3年)が左足で押し込んだ。

 3-1と突き放した青森山田だが、帝京大可児も諦めない。直後の後半22分、左サイドを突破した遠藤がマイナスに折り返し、走り込んだFW大森涼(3年)が右足で合わせた。大森の3戦連発今大会4得点目で2-3と1点差に追い上げ、さらなる反撃に出る。青森山田を押し込み、同点ゴールを目指したが、あと一歩が及ばなかった。

 青森山田は後半34分、途中出場のMF内間隼介(3年)がドリブル突破からスルーパス。安斎がPA内に走り込むと、前に出てきたGK原と激しく交錯し、PKを獲得した。これを藤原が落ち着いてゴール右に決め、4-2。粘る帝京大可児を振り切り、3大会連続の準々決勝進出を決めた。

 ロングスローからの3得点とPKによるダメ押しゴール。セットプレーから全4得点が生まれる展開に黒田剛監督は「ボールポゼッションもそうだし、ショートカウンターもリスタートも含めて、トータル的に何でもできないといけないのが青森山田のテーマ。ロングスローという武器がある以上、こういう苦しいときには効果がある」と強調した。

 準優勝した前回大会も3回戦の富山一戦(○4-1)は全4ゴールがセットプレーからだった。「去年もそうだが、3回戦は4点を取った中ですべてリスタートだった。昨日なかった分、今日はリスタートで多く点を取りたいというのがテーマでもあった。苦しいゲームの中でこういう武器を発揮できたのは大きな収穫かなと思う」とポジティブに評価した。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2020

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