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PK戦でGK熊倉が2本ストップ!山梨学院が11年ぶりの決勝進出!

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試合開始直後、山梨学院高MF石川隼大が先制ゴール

[1.9 選手権準決勝 山梨学院高 2-2(PK3-1)帝京長岡高 埼玉]

 山梨学院が決勝進出! 第99回全国高校サッカー選手権は9日、準決勝を行い、11年ぶりの決勝進出を狙う山梨学院高(山梨)と新潟県勢初の決勝進出を目指す帝京長岡高(新潟)が激突。2-2で突入したPK戦の末、山梨学院が3-1で勝った。山梨学院は11日の決勝で、矢板中央高(栃木)対青森山田高(青森)の勝者と戦う。

 ともに4-4-2システム。山梨学院はGKが熊倉匠主将(3年)で4バックは右SB鈴木剛(3年)、CB一瀬大寿(3年)、CB飯弘壱大(3年)、左SB中根悠衣(3年)。中盤は谷口航大(2年)と石川隼大(2年)のダブルボランチ、右MF新井爽太(3年)、左MF広澤灯喜(3年)、2トップは野田武瑠(3年)と準々決勝決勝点の久保壮輝(3年)がコンビを組んだ。

 一方、帝京長岡はGK佐藤安悟(1年)、4バックは右SB佐々木奈琉(2年)、CB笠井冠晟(1年)、U-17日本代表候補CB松村晟怜(2年)、左SB桑原航太(1年)。ダブルボランチは川上航立主将(3年)と三宅凌太郎(2年)で右MFがU-15日本代表候補の廣井蘭人(1年)、左MF上野一心(3年)、2トップは酒匂駿太(3年)と葛岡孝大(3年)が並んだ。

 試合は開始わずか21秒で動いた。山梨学院はバイタルエリアで前を向いた石川が意表を突く右足ミドル。右ポストを叩いた跳ね返りを久保が狙ったシュートはGK佐藤が反応したが、これに詰めていた石川が右足で押し込んだ。

 電光石火とも言えるゴールで山梨学院が先制。なかなか落ち着きを取り戻せない帝京長岡に対し、山梨学院は前線の久保の抜け出しやクロスなどから簡単にチャンスを作り出していく。そして、広澤や久保、新井が決定機を迎えるが、ラストの精度が低く、決め切ることができない。

 一方の帝京長岡はスピードのある酒匂を右サイドへスイッチ。酒匂がクロスを上げきるなど右サイドからゴール前のシーンを作ったほか、ゴール前でのコンビネーションに繰り返しチャレンジ。スピードに乗って飛び込んで来る選手の足元にボールが入る。だが、最後のタッチがわずかにずれ、相手にセカンドボールをクリアされるシーンの連続。中央を固める山梨学院から決定打を打ち込むことができない。

 帝京長岡は後半開始からMF鉾修平(3年)を投入。山梨学院はFW茂木秀人イファイン(2年)をピッチへ送り出す。開始直後、帝京長岡は右サイドへの展開からクロスを三宅が合わせるもDFがブロック。すると5分、山梨学院は新井の右ロングスローを一瀬が頭で合わせて2-0とした。

 だが、直後にMF佐竹宏太(3年)を投入して反撃する帝京長岡は14分、左サイドからボールを動かし、最後はループパス、フリックで抜け出した川上が右足でニアを打ち抜き、1点差とした。

 帝京長岡はさらに16分、鉾の右足ミドルが左ポストを直撃。対する山梨学院もオープン攻撃から交代出場のFW笹沼航紀(3年)のスルーパスや茂木の右足シュートなどから追加点を狙う。だが、帝京長岡は32分、右サイドからの1タッチクロスをPAで受けた廣井がPKを獲得。これを川上がチップキックで決めて2-2となった。

 この後、繋ぐ帝京長岡、ロングボールからシュートへ持ち込む山梨学院ともに決定的なシーンを作り出す。山梨学院は43分にMF山口丈善(3年)、アディショナルタイムにDF浦田拓実(3年)を投入。だが、スコアは動かず、PK戦決着となった。

 PK戦では山梨学院GK熊倉が後攻・帝京長岡1人目をストップ。2人目も外した帝京長岡だが1年生GK佐藤が山梨学院の3人目を止め返す。さらに佐藤は4人目も連続ストップ。だが、山梨学院はGK熊倉が直後に止めると、最後は5人目の谷口が決めて決勝への切符を勝ち取った。

(取材・文 吉田太郎)
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