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個性派揃いの山梨学院を支えた副主将SB鈴木剛「良いパワーを持った学年だった」

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山梨学院を支えた鈴木剛副主将(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.11 選手権決勝 山梨学院高 2-2(PK4-2)青森山田高 埼玉]

 先頭に立って声を掛け、チームのために献身した。山梨学院高の副主将を務めるDF鈴木剛(3年)は今大会で最も長くプレーした選手の一人だ。タフな連戦の中で全6試合、520分のフルタイム出場。持ち味の運動量、対人守備で貢献しながら、「このチームが勝つためには一番声を出して、後ろから支えることが必要だと思った」とチームのために声を張り、的確な指示で優勝へと導いた。

「無観客だったので例年よりも声が通ったと思う。この大会はセットプレーが多かったので、誰よりも一番集中して、雰囲気に飲まれないように自分とクマ(GK熊倉匠主将)が声を出して、一本一本集中出来たのがカギだったかなと思います」

 中学まではセンターバックを本職としたが、ボランチを経てサイドバックに転向し、2年時からレギュラーを務めてきたチームの主軸。今大会は持ち味の攻撃参加は控えて堅守を支え、チームのために役割を完遂した。

 フィールド選手のリーダーとして、GK熊倉とともに個性派集団をまとめ上げてきた。「普段は私生活のところを注意しても、言うことを聞かないです。アイツらは本当に個性が強すぎて」と苦労を明かしつつ、「良いパワーを持った学年だった。きっと、ほかのチームの何倍もの力を出せたから優勝出来たんだと思います」。偉業を成し遂げたチームを誇った。

 埼玉県出身の鈴木にとって、埼玉スタジアムは憧れのピッチだった。「あのスタジアムは小さい頃から親やコーチに連れて行ってもらって、試合を見に行っていた場所。観客が入ったらもっとすごかったんだろうなと思いながら、それでも最高のピッチで出来たので良い経験になりました」。いずれもPK戦の末に帝京長岡、青森山田を破ったピッチとして、最高の軌跡を残した。

 卒業後は北信越大学リーグ1部の強豪・新潟医療福祉大に進学予定。次のステージで高みを目指し、後輩たちには連覇を託す。今大会で主力だったMF谷口航大とMF石川隼大のダブルボランチ、FW茂木秀人イファインら2年生へ、「大きな重圧に勝っていかなきゃいけない。3人が中心になってチームをつくっていって欲しい」とエールを送った。

大会制覇を成し遂げ、DF鈴木剛副主将とGK熊倉匠主将が歓喜の涙(写真協力『高校サッカー年鑑』)


(取材・文 佐藤亜希子)

(※山梨学院高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)
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