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[MOM3595]山梨学院DF溝口慶人(3年)_“黒子役”が期待に応える守備対応。公式戦初ゴールも

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後半13分、山梨学院高右SB溝口慶人がヘディング弾を決めて右手を突き上げる

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.16 選手権山梨県予選3回戦 笛吹高 0-5 山梨学院高]

 この日、山梨学院高は俊足エースFW都倉悠人(3年)を擁する笛吹高の攻撃に対して、2つの守備プランを持っていたという。笛吹は想定されていたように、都倉を中央に置いてスタート。試合途中から左サイドへ移行した。これに対し、山梨学院の右SB溝口慶人(3年=FC多摩ジュニアユース出身)が長谷川大監督の期待に応える。

「前日とかの練習でも監督から相手の10番(都倉)速いと言われていて、自分がそこを対応できるかどうかが試合の一つの鍵になるので、しっかり対応できて良かったと思います。自分は守備で一番信用して使ってもらっている。自分が崩れたらバックラインが崩れると思ってやっていました」と溝口。試合中に対応の変化を求められる中、自信を持つ1対1の守備で突破を許さず、無失点勝利に大きく貢献した。

 長谷川監督は「去年の飯弘(壱大)と一緒で守備的な部分は信頼しているんです。アイツがチームのために自分の役割にしっかり徹するというのが、凄く大事なこと。目立たないけれど黒子のような存在がウチのチームには絶対に欠かせないことだと思います」。この日、“黒子役”の溝口は相手エースを止め、攻撃面でも結果を残した。

 守備に重心を置き過ぎないように心掛けていたという溝口は、タイミングを見て攻撃参加し、クロス。後半14分の左CKでは、「蹴った時に『来るな』という感じがあったので入り込んだら良いボールが来た」というヘディング弾で公式戦初ゴールを記録した。さらに32分にはスルーパスでMF大島悠斗(3年)のゴールをアシスト。指揮官も高評価するパフォーマンスだった。

 FC多摩ジュニアユース時代はSHだったが、高校進学後にSBへ転向した。春先はAチームのサブ。だが、3月の矢板ユース大会でアピールし、チャンスを掴んだ。現在はストロングポイントの1対1のディフェンスやカバーリングでチームをサポート。相手のエースをマークすることも多い溝口は「(エースを潰すことは)楽しいです」と微笑む。試合で目立つことは少ないかもしれない。それでも山梨学院が勝ち上がっていくための重要な一人は、山梨へ送り出してくれた家族への感謝も胸に自分の役割を徹底し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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