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秋田商MF中野宏宣が2アシスト。157cmの小さな主将は緊急出場も「さすが」の働き

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後半32分、秋田商高MF中野宏宣主将が右サイドを攻略し、2つめのアシスト

[10.21 選手権秋田県予選準決勝 西目高 0-2 秋田商高 ソユスタ]

 味方選手の負傷により、前半32分から緊急出場。雨による悪コンディションということもあって、対応が難しかったはずだ。だが、秋田商高MF中野宏宣主将(3年=ブラウブリッツ秋田U-15出身)は、「(押し込んでいたが)シュートが少なかったので攻撃的なプレーを増やそうと思っていました」と投入直後からフルスロットルの動き。チームの良い流れを維持したまま前半を終えると、後半に2ゴールをアシストした。

 まずは後半14分、敵陣中央でルーズボールに反応すると、ダイレクトで左前方へラストパス。これをブラウブリッツ秋田U-15時代からのチームメートであるMF近野宙安(3年)が決めて先制した。

 さらに後半32分には、敵陣でMF吉村隆助(3年)が引っ掛けたボールに鋭く反応。一気に右サイドのスペースへ切れ込むと、「自分がドリブルしてヘッドアップした時に相手が下がっていて、マイナスが空くなと思っていたので、そこにしっかりと出せたのは良かったです」とマイナスのラストパスをFW川辺瑞輝(2年)へ通し、2つめのアシストを記録した。

 小林克監督が「代わりに入ってキチンとして仕事してくれたのはさすが3年生だなと。やるべきことをしっかりとやってくれたので、さすがだなと思いました」と称賛するパフォーマンスだ。

 それに対し、中野は「どんなアクシデントにも対応できるように気持ちの部分は作れていたので、しっかりとゲームに入れたんじゃないかなと思っています。自分たちは誰が出ても良いというチームを作ろうとずっと話し合っていたので、自分は途中出場なんですけれども、その中で自分は結果を残すために準備をしていたので良かったと思います」と胸を張った。

 登録は157cm、53kgと登録メンバーで最も小柄。だが、「絶対にデカイ選手には負けたくないので、頑張っています」と語る中野のドリブルの切れ、相手の懐に潜り込んでいく動きは、チームの攻撃にプラスアルファをもたらしている。この日は自分よりも30cm近く大きな選手に立ち向かい、2アシスト。MF中島翔哉(ポルティモネンセ)を意識するMFは、決勝でも得意とするアタッキングサードでのプレーで違いを生み出し、再びゴールと白星をもたらすだけだ。

 秋田商の選手権ベスト8を見て進学してきた中野は、まず予選突破に“全集中”。そして、全国大会で「(あのベスト8は)凄く印象に残っていて、秋田県の代表がベスト8まで行くというのは自分にとっても凄すぎて、入学したらその記録を超えられるようにとずっと思っていました」というベスト8超えに挑む。

(取材・文 吉田太郎)
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