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[MOM3606]明桜FW田中将太(3年)_目標は大学経由でプロ。先制点の10番はドラ1投手にも「負けたくない」

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明桜高の10番FW田中将太は準決勝で先制点をマーク

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.21 選手権秋田県予選準決勝 秋田工高 0-4 明桜高 ソユスタ]

「全校応援で緊張したんですけれども、自分が決めて勝つということを前日の夜から考えていて、それを実行できたが一番大きかったです」。前半16分、明桜高は10番FW田中将太(3年)がMF佐藤嵐(3年)のシュートのこぼれ球を押し込み、先制点を挙げた。

「嵐がボール持った時にはもう勢い良く走って狙っていたので、そこにちょうど来て決めただけですけれども、明桜のペースに持ってこれて良かった」と笑顔。技術力の高い仲間たちに自分の良さを引き出してもらっているという田中は、「10番背負わせてもらっているので結果を残さないとという気持ちがあります」という思いをしっかりと表現した。

 この日は左サイドから果敢なドリブルと鋭い抜け出しを連発。「ボール持った時には2、3人来ていたので仕掛けのタイミングも迷ったんですけれども、(監督の)原さんからも『どんどん仕掛けろ』『利いているぞ』と言われて、自信持って仕掛けるしか無いと思って仕掛けました」。強い気持ちを持って走り、アタックを続けた10番を原美彦監督も「しっかり結果を出したし、色々な部分で良かった」と評価していた。

 インターハイ予選決勝は0-0からのPK戦の末に敗れて全国に届かず。田中は「決め切れなかったので、自分のせいと思っているから、練習して上手くなりたいというのはあります」。夏以降、食事面の意識を変えたほか、自分への要求を高めてドリブルやシュート練習に取り組んできた。この日は一つ結果を残したが、まだまだ満足はしていない。

 明桜には最速157kmのストレートなどを武器に野球部で活躍し、“高校ビッグ3”と謳われた風間球打投手が在学中だ。先日のプロ野球ドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスからドラフト1位指名された“怪物右腕”。全国的にも“超”有名な風間に対し、田中は「凄いと分かっているんですけれども、負けたくないという気持ちも……。(自分も)『おめでとう』と言うんですけれども、負けたくない。大学からプロを自分は目指しているので、負けたくないなと思います」と力を込めた。

 今年の秋田を代表するアタッカーは選手権でチームの躍進に貢献し、「田中将太」の名を少しでも広めることができるか。まずは決勝。「自分が勝たせる勢いで、チームを全国に連れていくと決めているんで、まずは監督、コーチ陣、ベンチに入れなかったメンバー、親に恩返しできるような選手権にしていきたいと思っています」。10番は結果で恩返しし、自身の価値も引き上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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