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期待のルーキーが決勝点!攻撃力向上の海星が宇治山田商にリベンジし、2連覇王手:三重

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前半2分、先制点を喜ぶ海星高イレブン

[11.3 選手権三重県予選準決勝 宇治山田商高 1-2 海星高 四日市市中央陸上競技場]

 第100回全国高校サッカー選手権三重県予選の準決勝が3日に行われた。宇治山田商高海星高の一戦は、前後半に1点ずつ奪った海星が2-1で勝利し、2年連続での選手権出場に王手をかけた。

 県1部リーグで暫定首位に立つ海星だが、6月に宇治山田商と対戦した際は、0-4で敗戦。「チャレンジャーとして挑んだ」(青栁隆監督)この日は、立ち上がりから勢い良く試合に入り、前半2分に試合を動かした。

 DF伊藤楓人(3年)がセンターサーク付近から入れた縦パスは相手DFに跳ね返されたが、FW神谷夢輝(3年)がセカンドボールを高い位置で拾い、ゴール前に展開。このボールを受けたFW新田夕晟(3年)のシュートは、GK荒木天聖(2年)に阻まれたが、MF北出匡(2年)が頭で押し込んだ。

 幸先の良いスタートを切った海星が狙っていたのは、勢い良く試合に入り、セカンドボールを拾う展開。想定よりも早い先制点によって、「守りに入ったわけじゃないと思うのですが、後手を踏んでしまった」(青栁監督)ため、狙い通りにボールを拾えなくなった。

 先制点を手にしてからは、サイド攻撃を許す場面が散見。15分には宇治山田商のチャンスが訪れた。MF中山創太(2年)、MF中瀬丈琉(3年)と素早く繋いでボールを、MF平賀新士(3年)が遠目からゴール左隅に決めて、試合は振り出しとなった。

 束の間のリードで終わったが、海星の選手に動揺は見られない。「これまでの自分たちなら、そのままズルズル行ってもおかしくなかったのですが、今日は声をかけて全員で耐え切ることが出来ました」と振り返るのは、主将のGK栗村真尋(3年)だ。20分と28分には、左サイドのMF長嶋紳翔(3年)が思い切りの良いドリブル突破から見せ場を演出。得点には至らなかったが、試合の流れを取り戻して、ハーフタイムを迎えた。

 後半に入ってからは、宇治山田商FW光田向志(1年)のスピード溢れるドリブルに手を焼く場面も見られたが、青栁監督が「昨年からの経験者がいるので、押されても大丈夫だと思っている」と信頼を寄せるDF陣が綻びを見せず、シュートまでは持ち込ませない。後半10分には、攻撃のギアを入れるためにMF清水葉功(1年)を前線に投入。すると、準々決勝でも2得点をマークしている期待のルーキーは、わずか7分後に大仕事を果たした。

 新田からのポストプレーを相手エリア中央で受けた清水は、PA左へとアウトサイドでスルーパス。走り込んだ長嶋のパスから、MF宇田大輝(3年)が合わせたボールは、右ポストに阻まれたが、ゴール前にこぼれた所を清水が押し込んだ。試合終盤は、再び同点ゴールを狙った宇治山田商の攻撃を上手く抑え込み、逃げ切りに成功した。

「今年は弱い」と青栁監督が評する海星だが、昨年度の選手権で初戦敗退した悔しさ、今年のインターハイ予選決勝で敗れた悔しさをバネにここまで勝ち上がってきた。元々は我慢強い守備が売りで攻撃に不安を抱えていたが、今大会は4試合で39得点をマークするなど、攻撃力が増しているのも2年連続出場に向けての追い風だ。「決勝は今日より厳しい試合になると思うし、難しい試合になるとも思う」と評する栗村は、「ディフェンシングチャンピオンという意識はない。今年は今年。二連覇とかプレッシャーかかると動きが硬くなってしまうので、自分たちのために優勝しようと意識しています」と意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)
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