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負傷明けの不安も一掃…184cmの今治東GK藤原陸「ここは自分が止めるしかない」自ら招いたピンチにも動じず好セーブ

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今治東中等教育学校のGK藤原陸(3年)

[11.3 高校選手権愛媛県予選準決勝 八幡浜工高 0-1 今治東中等教育学校 北条球技]

 選手権の約2か月前に右足の半月板を負傷——。懸命なリハビリを経てなんとか間に合わせた今治東中等教育学校のGK藤原陸(3年)が、悲願の全国出場に王手をかけた。

 今治東はプリンスリーグ四国所属のため、今大会はスーパーシードで準々決勝からの出場。試合数が少ないことは勝ち抜く上でメリットとなるのは言うまでもないが、ゲーム体力を整えていくにあたっては不利な点もある。

 負傷明けの守護神のコンディション調整も不安要素の一つだった。準々決勝の今治西高戦で公式戦復帰を果たした藤原だったが、4-0でチームが圧勝した中、プレー機会は「ボールがあまり来なくて、ビルドアップで数回触っただけ」。準決勝の八幡浜工高戦に向けては「試合勘が全く戻っていない」という懸念があったという。

 それでも藤原は試合を通じて安定したパフォーマンスを発揮。立ち上がりから「持ち味はパントキック」との言葉どおり、生命線のサイド攻撃を長短のパスで演出すると、カウンターを狙ってくる相手に安定感を見せた守備陣を統率していた。

 また後半13分には自身のキックミスからピンチを招いたが、「ここは自分が止めるしかないと思った」と相手の決定的シュートをがっちりキャッチ。「練習ではただのキャッチやローリングダウンじゃなくて、“ダブルプレー”を意識してやっている。一回プレーが終わってそこで終わりじゃなく、すぐに立ってポジション移動をして一番止めやすい姿勢で構えることを日々意識している」という日頃の鍛錬も実った。

 184cmの身体から繰り出されるハイボール処理も質が高く、関西の私立大学への進学を控える有望株。13日に控える帝京五との決勝戦に向けて「帝京はノリに乗っているし、やってくることも変えてくると思うので、こちらもしっかり分析して臨みたい。キックやセービング、自分の身長を活かしたハイボール処理で広い範囲の人に注目してもらいたい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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