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[MOM3644]仙台育英FW佐藤遼(3年)_勝利への執念実り、3日前の負傷から奇跡の復帰

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仙台育英高FW佐藤遼(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 選手権宮城県予選決勝 仙台育英高2-0聖和学園高 ユアテックスタジアム仙台]

 1点目も2点目も、そして試合終了後もFW佐藤遼(3年)は応援団の前で大きくジャンプして喜びを爆発させた。「(ジャンプをしても)余裕でした。応援に感謝したかったので」。11月3日の準決勝で、右足首をねんざしたとは到底信じられない質の高いプレーを見せ、2ゴールで仙台育英高を全国へと導いた。

 負傷後の2日間は絶対安静の状況。「やめた方が良いと母からも言われました」と出場を思いとどまるように言われたという。

 それでも「勝つことしか考えていませんでしたし、足を引きずってもやるつもりでした」という佐藤遼は「接骨院に行ったのですが、コーチが送り迎えをしてくれて、アイシングもトレーナーが手伝ってくれました」と出場のための周囲の努力に感謝の言葉を述べていた。「昨日まで松葉杖をついていたので、(出場することは)不安でしかありませんでしたし、痛みは正直ありました」と語り、痛み止めも前日と当日の朝、そして試合前に飲んでいたという。

 そしてフル出場を果たし、自身の2ゴールで勝利という最高の結果を得た。「自分でもよく試合に出たなと思いますし、みんなもフルでできると思っていなくて、『前半から出てくれるだけでもありがたい』と言ってくれて反応が良かったですね」とチームメイトのねぎらいも力になったようだ。

 最高の一日となったが、既に佐藤遼は先を見据えている。「今日の2得点は忘れて、また一からやっていこうと思っています。気持ちを切り替え、また頑張るだけです。今はちょっと痛いくらいですし、練習を休むとしても1~2週間くらいで復帰したいですね」。負傷を乗り越え、県予選優勝へと導いたエースストライカーは、今後のプレミアリーグプレーオフ、そして選手権全国大会での活躍に向け、再び走り出す。

(取材・文 小林健志)
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