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桐光学園は大学受験でMF山市主将が先発外れるも、大一番で質落とさずに戦い神奈川決勝へ

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勝利の瞬間、MF山市秀翔主将(右から2人目)ら決勝進出を喜ぶ桐光学園高イレブン

[11.6 選手権神奈川県予選準決勝 東海大相模高 0-1 桐光学園高 ニッパ球]

 インターハイ予選優勝校・東海大相模高との大一番。桐光学園高はU-17日本代表候補MF山市秀翔主将(3年)が午前中の大学受験の影響で先発を外れていた。山市はエネルギッシュな動きと声が特長の大黒柱。鈴木勝大監督も「山市はウチのチームの“心臓”ですから循環になる選手」と評する存在だ。

「難しいスタートだった」という準決勝。ただし、指揮官は選手たちに「一人欠けたくらいで転覆してしまうようだと全国で勝っていけない。クオリティ落とさずにやろうと話していました」と明かす。

 ゲーム主将のFW三原快斗(3年)も「山市がいなくても前から行くと」決意して試合へ。自らアグレッシブな仕掛けを見せ、チームの突破口になっていた。チームは三原らに引っ張られる形で前半からハードワークを徹底。前半に関しては前からのプレッシングに行き切れない部分もあったが、後半にギアを上げて、押し込む時間を増やして見せる。

 山市に代わって先発した10番レフティーMF岩根裕哉(3年)は特長の攻撃面こそ十分に出し切れていなかったものの、守備面など鈴木監督も「良くやってくれました」と認める働きでチームを支えていた。

 そして後半28分、大学受験を終えた山市が岩根と代わってピッチへ。イエローカードをもらうシーンもあったが、アグレッシブな動きでチームを活性化した。その後、後半36分に1点を奪い、1-0で勝利。山市は「今日、自分は受験でいなくて、仲間を信じてやっている感じだったんですけども、本当何も自分していないんですけれども、スタッフも含めて良い声を掛けてくれて、ベンチ外のメンバーもしっかりサポートしてくれたかなと思っています」と感謝した。

 桐光学園は思い通りの展開では無い部分もあったが、選手層の厚さも示して決勝進出を果たした。三原は「山市が入ってから自分たちのサッカーができたと思うので、決勝は自分たちのサッカーをしたいと思います」と語り、山市は「3年生最後の大会、しかも節目である100回大会、しっかりと神奈川獲得して、全国優勝します」と誓った。この日、チームに助けられた主将は、「本当に仲が良い」という仲間たちに恩返しするためにも決勝で走り、戦って、まずは桐光学園を神奈川県制覇へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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