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主軸欠いた夏の王者・東海大相模は終了間際に猛攻も…後輩たちが力積み重ねて冬の神奈川制覇へ

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後半アディショナルタイム、東海大相模高のゲーム主将MF橋本一汰が右足シュート

[11.6 選手権神奈川県予選準決勝 東海大相模高 0-1 桐光学園高 ニッパ球]

 後半アディショナルタイム、1点を追う東海大相模高は右ロングスローから連続攻撃。「諦めてはいけないのは絶対。選手権に行くためには点を取らないといけない」と振り返るゲーム主将MF橋本一汰(3年)の強烈な右足シュートが枠を捉え、そこからゴールエリア付近で2人、3人と足を振る。だが、桐光学園高の厚い壁。ことごとくブロックされ、PA外へクリアされた瞬間、試合終了の笛が鳴った。

 東海大相模は今夏のインターハイ予選を突破し、3度目の全国出場。今年は、橋本やFW森田青流(3年)、右SB内藤天志(3年)、そしてFW品田希望主将(3年)がJクラブへの練習参加を経験するなど個としても、チームとしても力のある世代だった。

 今大会は2試合連続でPK戦勝利。選手権予選では過去最高タイの準決勝まで駒を進めた。そして、この日も品田を欠く中、インターハイ優勝や選手権準優勝の歴史を持つ名門・桐光学園と拮抗したゲーム。後半36分の失点で惜敗したが、桐光学園の鈴木勝大監督が「東海大相模は(怪我でベストでないと聞いていたが、)タフなチームですばらしい準決勝になった」と称える戦いを見せた。

 一方で東海大相模の有馬信二監督は「選手もよく頑張ってくれましたけれど、ウチのチームはまだ10年くらいのチーム。桐光さんみたいに伝統もない」。一つ一つ経験と力を積み重ねる必要性を再確認する敗戦となったようだ。

 橋本は「本来のキャプテンの(品田)希望や2年生もいない中でも勝たないといけない。それ(主軸の欠場)を除いてもみんなで勝つという気持ちを持っていたと思います」と言う。思いを込めて戦ったが、紙一重の敗戦。この日、下級生で唯一出場したU-16日本代表候補CB根岸優汰(1年)ら下級生が先輩の無念を胸に努力と成長を続け、夏も冬も神奈川で勝つチームになる。

(取材・文 吉田太郎)
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