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仲村監督「必ず“最後のロッカールーム”を選手と一緒に笑って出る」。尚志はより決める、勝ち切る力磨いて選手権へ:福島

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前半28分、尚志高FW小池悠斗が先制ヘッド

[11.7 選手権福島県予選決勝 尚志高 2-1 学法石川高 西部サッカー場]

「勝ちにこだわるサッカーというか、絶対に勝つと。チャレンジャーとして今日の試合も臨めましたし、本当に勝てて良かった」。尚志高のMF松本勇斗主将(3年)は試合後、ホッとした表情を見せた。

 U-22日本代表の“怪物”CBチェイス・アンリ(3年)に注目が集まる尚志だが、昨年から試合に出ている松本や10番MF松尾春希(3年)、MF新谷一真(3年)、CB安江海ラウル(3年)、FW村上力己(3年)ら力のある選手が先発だけでなく、控えにも複数。そして、質の高いパスワークや後方の選手が次々と前線を追い越していく走力、切り替えの速い守備、最終ラインの強さなどバランスの良いチームに仕上がってきている。

 プリンスリーグ東北は14勝1分2敗ですでに優勝決定。強さを示している一方、インターハイでは決めきれずに0-0からのPK戦で初戦敗退を経験した。シュート練習などを重ねてきたチームはこの日、前半28分に右SB佐藤利明(3年)のクロスからFW小池悠斗(3年)が先制ヘッドを流し込んだ。だが、後半は決定機を連発しながらもシュート精度を欠くなど2点目を奪えず、逆に失点。アンリが後半10本目のシュートでようやく決めたが、仲村浩二監督は「決定力」について厳しく指摘していた。

 それでも、危ないシーンが幾度かありながら、2年生GK鮎澤太陽が要所でファインセーブ。アンリも最後の局面で強さを見せるなど、1失点で切り抜けた。そして、松本が「最後全員諦めなくて、最後相手よりも走り勝てた。(個性強い選手が多くてまとめるのは)大変っちゃ大変なんですけれども このチームはみんなが結構(自分から)やってくれている」という力も白星を引き寄せた。

 仲村監督は「全国大会ではベスト4までしか行ったことがないので、必ず“最後のロッカールーム”を選手と一緒に笑って出るという目標のためにこれからも一生懸命頑張りたい」と語り、松本も「チーム全体としても、その目標でやろうと思っている」。そして、小池は「全国でも自分たちらしいサッカーをして絶対に優勝したいです」と力を込めた。“怪物”CBアンリ擁する注目校の実力は選手権出場校でも上位。より勝ち切る力を磨き、100回大会の最後のロッカールームを笑って、出る。

(取材・文 吉田太郎)
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