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「ホンマにもう入ったと…」徳島商の“元気印”MF大坪永遠が決勝導くスーパークリア

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徳島商高MF大坪永遠(2年=徳島FCリベリモ)がスーパークリア

[11.6 高校選手権徳島県予選準決勝 徳島北高 1-2 徳島商高 徳島市球技場]

 試合の流れを手繰り寄せるスーパークリアだった。

 1-0で迎えた後半30分、右サイドを崩された徳島商高は絶体絶命のピンチを迎えていた。

「相手が打った瞬間、正直ホンマにもう入ったと思ったんです。でもノボさん(GK登大也)が止めてくれて……」。

 GKが弾いたこぼれ球は依然としてゴール前。そこには相手FWも詰めてきていた。しかし、中盤から懸命に戻ったMF大坪永遠(2年=徳島FCリベリモ)がなんとかボールを蹴り出した。直後、チームの元気印である大坪からは派手なガッツポーズも飛び出し、チームメートが賞賛の輪をつくった。

「相手がおるのはわかっていたので、もう何がなんでもクリアしようと思ってました。もう興奮とうれしさで『やったぞ!』という感じで。気持ちが出ました」(大坪)。

 2年生ボランチのビッグプレーでなんとかリードを守った徳島商は後半35分、追加点を奪取。最終盤には勢いを持って攻めてくる相手に1点を返されたが、2-1で勝利し、9年ぶりの決勝進出を決めた。

「高校サッカーって冬の選手権で全国に行くためにやっていると思うんです。最後に3年生と夢の舞台に行きたい」。

 決勝の相手は3連覇王者の徳島市立高。新人戦、インターハイ予選でそれぞれ対戦し、いずれも0-2で敗れた相手だ。

「最後の部分が足りなくて負けたのを実感したので、総体が終わって夏休みからここだけに焦点を当てて練習してきた。キツいこともたくさんやったし、強いとは思うけど自分たちもやれると思う」。

 強気な姿勢を見せた大坪は「ボールを持たれるかもしれないけど、球際や空中戦、そして競った後のセカンドが大事になると思う。ここを回収して、サイドに散らして、こっちの速い攻撃で先制点を取れれば勝利が近づく」と勝機をうかがっている。

 また国体チームの代表も経験してきた大坪は、当時ともに戦いいまは先発の多くを占める2年生をライバル視している。特に注目GK藤澤芭琉(2年)とは仲がいい様子。「身長もあるしかなりいい選手。でも試合になったら負けたくない。アイツから点を取れれば最高」と闘志を燃やしていた。

(取材・文 竹内達也)
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