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主将に託されたPK…緊張の中で決め切った徳島商DF増田太陽「最後は市高を倒して全国に行きたい」

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[11.6 高校選手権徳島県予選準決勝 徳島北高 1-2 徳島商高 徳島市球技場]

 緊迫した状況で訪れたペナルティキック。獲得した1年生ドリブラーに代わってキッカーを任されたのは、徳島商高の主将DF増田太陽(3年=徳島FCリベリモ)だった。

 徳島商にとって願ってもない先制のチャンス。後半8分、自陣からのロングフィードに抜け出したFW冨士村優(1年)が自ら放ったシュートのこぼれ球を拾い、左サイドからカットインすると、エリア内で相手に倒されてPKを獲得した。

「いつもファウルをもらった選手が蹴るんですけど、取った瞬間にみんなから『蹴れ』って言われて、僕も蹴ってやろうという気持ちはあったので」。強気にボールをセットした主将はチームメートの思いも背負い、迷わずネットに蹴り込んだ。

「先制点がかかっていたのでめっちゃ緊張したけど、落ち着いて蹴れて良かった」(増田)。

 カウンター狙いのゲームプランで奪った理想どおりの先制点。その後は「僕たちは回すのがそんなにうまくないので、守ってカウンターというのをやってきた。チームのスタイルには自信がある」というチームスタイルを徹底し続け、2-1で勝利。9年ぶりの決勝進出を決めた。

 過去39回の全国出場経験を持つ名門校の復権まであと1勝。決勝の相手は新人戦とインターハイ予選でいずれも0-2で敗れた苦い記憶もある徳島市立に決まった。

「OBの方々も期待してくれている。新人戦と夏の総体で同じスコアで負けているので、最後は市高を倒して全国に行きたい」。先輩の期待も背負った主将は「相手も総体より強くなっていると思うけど、自分たちも夏からいっぱい走って頑張ってきた。やってきたことを信じて勝つだけ」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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