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藤枝東は守備意識高い戦いで静学に対抗も……差を埋めて来年「名門復活」に再挑戦:静岡

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藤枝東高は静岡学園高に食い下がったが、名門復活は来年以降に

[11.13 選手権静岡県予選決勝 藤枝東高 0-2 静岡学園高 エコパ]

 10,265人の観衆を集めた静岡決勝。全国優勝4回、同出場25回、6年ぶりとなる選手権の舞台を目指した藤枝東高は、藤色に染まったスタンドの後押しを受けて戦った。

 特別な歴史を持つ名門校に対する地域や関係者の期待は絶大。小林公平監督は「凄く周りの人たちに支えられているなと改めて感じさせてもらいましたし、多くの人たちに支えられてサッカーをやっていることを凄く感じる時間となりました」。選手たちは自分たちの夢を叶えるため、思いに応えるため、インターハイ3位の静岡学園高に立ち向かった。

「(相手の)良さを消しながら、自分たちの良さを最大限出したいと思っていました」と小林監督。前半は静岡学園の両ウイングの突破力を上手く消していた印象だ。左SB恒岡大雄主将(3年)と今大会最優秀新人に選出された右SB野田隼太郎(1年)が相手のドリブルにうまく対応。SHの守備意識高い動きもあって、サイドの局面で数的優位を作り出し、相手の両翼の突破を許さない。前半はほぼ決定打を打たせることなく、0-0で終えた。

 守備意識が強すぎたことによって、攻撃に出る位置が低くなってしまっていたことも確か。その部分を修正してスタートした後半は立ち上がりから攻撃で主導権を握っていた。だが、7分にセットプレーから失点。そこから引き締め直したチームは0-1の時間を継続する。

 そして、前半よりも幅を使うことを意識して攻撃。カウンターからチャンスも作った。24分には前半から前線での奮闘を続けていた大会得点王・FW藤井斎(3年)が相手を引きずるように前進し、MF川口大介(3年)が決定的なシュート。だが、公式記録上のシュートはこの1本のみだった。

 強敵相手に守備の部分では健闘したが、高い位置で奪ったり、アグレッシブに仕掛けられなかったことが悔やまれる試合に。恒岡は技術面や切り替えの速さで劣っていたこと、また後半、こぼれ球やセットプレーの攻防で緩んだ部分があったことを認める。

 そして、主将は名門復活へ再挑戦する後輩たちへ向けて、「メンバー入った選手は悔しい思いを持って来年に向けてやって欲しい。メンバーに入っていない選手にも(経験や悔しさを)伝えて練習から切磋琢磨して欲しい」と期待。また、小林監督は選手たちへ向けて「個人も、チームも、力つけようと声を掛けました」。この日先発した4人をはじめとした1、2年生は感じた差を埋めて、来年こそ必ず選手権の舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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