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選手権予選期間中に「凄く成長」した市立船橋。勝敗分けた差を埋めて奪還へ:千葉

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市立船橋高は敗戦の悔しさを胸にタイトル奪還を目指す

[11.14 選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 2-1 市立船橋高 柏の葉]

「選手権期間中に凄く成長しました」。市立船橋高の波多秀吾監督は今年の3年生たちの成長を認めていた。今年はインターハイ予選で準々決勝敗退。プレミアリーグEASTでは暫定9位と苦しいシーズンを過ごしてきた。

 それでも、選手権予選ではインターハイ予選で敗れた習志野高にリベンジし、準決勝では白井高に6-1で快勝して決勝進出。プレミアリーグ勢対決となったこの日の決勝も指揮官が「(以前に比べて)守備で落ち着いた対応ができていた。集中力を保って自分たちで、という意識はこれまでのゲームよりは見られたんじゃないかと思います」と頷く戦いを見せた。

 前半は相手が積極的に縦へ入れて来るボールを跳ね返し、前線でボールを良く収めていたFW青垣翔(2年)とU-16日本代表候補FW郡司璃来(1年)を起点とした攻撃。相手GKへのプレッシングでミスを誘い、郡司の右足シュートでリードを奪った。

「選手たちが状況に応じて良い判断ができたと思っています」と波多監督。だが、拮抗した展開の中で市立船橋にもミスが出てしまう。ゴール前に人数を掛けながらクリアできずに連続失点。後半は前線へのサポートを厚くする形でボールを握る時間を増やし、サイド攻撃で反撃した。

 高速右SB伊藤楓太(3年)やMF武藤寛(3年)が鋭く前進。DF陣も昨年からのレギュラーであるCB針谷奎人(3年)とCB小笠原広将(3年)を中心によく踏ん張っていた。1点差を継続した市立船橋は中盤で相手のプレスを剥がしてゴールへ迫っていたが、最後の局面で奪い切る迫力が不足。後半29分に連続でシュートへ持ち込もうとするシーンなど幾度かあった同点機を活かせず、連覇は2でストップした。

 波多監督は伸びしろのある選手たちが、勝って、全国大会まで成長する機会を作れなかったことを残念がった。敗れてしまった以上、1年後へ向けてまた一つ一つ積み重ねて行くだけ。GKドゥーリー大河(2年)やMF太田隼剛(1年)らこの敗戦をピッチで経験した下級生、スタンドで先輩たちの姿を目に焼き付けた選手たちが勝敗分けた差を埋めて1年後、必ず千葉のタイトルを奪還する。
 
(取材・文 吉田太郎)
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