beacon

先輩に続くプロ入りが目標。明秀日立で存在感増す2年生MF村田楓太「主役になれれば」

このエントリーをはてなブックマークに追加

明秀日立高の2年生MF村田楓太はトレーニングでDF、GKをかわしてゴールするシーンも

 過去6年間で4度選手権に出場している強豪・明秀日立高(茨城)は、194cmGK谷口璃成(3年)の来季からの岡山加入が内定。明秀日立から初となる高卒Jリーガーが誕生したことで刺激を受けているのが、 MF村田楓太(2年=ウィングスSC出身)だ。

「身近でプロが出たのは一つ刺激になったので、自分も元々高校卒業したらプロになりたいと思っていた。プロに行きたいです」。そのMFは左サイドからボランチへコンバートされ、自分の良さをピッチでより表現するなど、明らかに存在感が増してきている。

 10月に行われたU-16日本代表候補との練習試合では、相手のミスを逃さずに先制点。さらに後半にはボランチの位置でボールを失わずにチームを前進させるなど、印象的な動きを見せていた。

 本人は「ゴール獲るのが課題と言われていて、ミドルシュートとかもっとちゃんとした形でゴールを獲れれば良かったんですけれども……」と反省。対戦相手は“プロ予備軍”だが、年下相手だったため、良さを出したことにも浮かれていなかった。

 明秀日立のトレーニングでも上手さやアイディアを活かして目立つ動きを見せている。「高校レベルでのプレッシャーに慣れたというところと、この夏過ぎてから自分がボールを持ってチャンスになるシーンが前よりは少し増えてきたかなと思っています」。一方で攻め急いでファーストタッチでミスしたりすることが課題だ。

 また「常にゴールと。練習の紅白戦でも意識して1試合1ゴール決めるくらいはと言われている」。プロになるためには大事な試合、局面でボールを失わないこと、そして試合を決める活躍をすることが大事だと考えている。

 インターハイ予選は決勝で鹿島学園高に延長戦の末に惜敗。相手の2年生右SB櫻井稜は抜群のスピードとゴールによって評価を高め、U-16日本代表候補入りを果たした。また、同じ2年生MF林結人は鮮烈な2ゴールで注目度が向上。加えて、その試合ではウイングスSC時代に中盤を組んでいたMF熊倉優希(2年)に勝ち越し点をアシストされている。ライバルに全国出場を許した村田は、「ああいう舞台で自分もやってみたい」と静かな闘志。今度は自分が活躍し、まずは明秀日立を全国舞台へ導く意気込みだ。

「チームの中で認められる存在になって、コーチにも、他の選手にも自分がいればみたいな感じで言われるようになったら良い。主役になれれば良い」。“主役”になる力はあるだけに、その覚悟がピッチ外でも出てくることをコーチ陣は期待する。

 授業になると、おとなしくなり、まだ率先して発言することができない。村田のクラスを受け持つ大塚義典GKコーチは、「それができるとサッカーでも変わってくると思う」。先輩の谷口は明秀日立で人間性の部分も成長させてプロ入り。村田もピッチ外での成長を意識しながら、17日からスタートする選手権茨城県予選で“主役”になって、評価を高める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 地区大会決勝ライブ&アーカイブ配信はこちら

TOP