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佐賀東は前回王者・山梨学院と初戦。「悔しい」を力に巻き返してきたFW溝口貴也が攻撃の起点に

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選手権全国大会へ向けて状態を上げてきたFW溝口貴也佐賀東高の攻撃の起点に

 アルビレックス新潟内定の日本高校選抜MF吉田陣平(3年)擁する佐賀東高(佐賀)は、第100回全国高校サッカー選手権初戦(2回戦、12月31日)で前回大会優勝の山梨学院高(山梨)と対戦する。佐賀東は吉田やU-17日本高校選抜CB宝納拓斗(2年)、得点力高いサイドMF森田悠斗主将(3年)、県予選決勝で2得点の2年生FW小嶋悠央ら攻守に充実の陣容。今年は佐賀4冠、九州新人大会準優勝などの結果を残している。

 選手権全国大会開幕を控え、状態を上げてきているのがFW溝口貴也(3年=DESAFIORA FC出身)だ。身長176cm、体重69kgの溝口は、九州大会やインターハイの全国大会で先発し、前への推進力やキープ力を見せていたストライカー。だが、インターハイ後はプレーの甘さや小嶋の急成長もあって先発の座を奪われていた。

 それでも、「選手権で小嶋にポジションを取られて、自分出たかったので、悔しいなと思って意識が変わりました。いつもよりは身体を張ろうと思って。(サブに回っていた期間に)競り合い、ヘディングでそらしたり、ボールを収めたり、止めて・蹴るとかもやりました」という溝口は、トレーニングでボールを収める力を幾度も発揮したり、課題のシュートでも豪快な一撃を決めるなど、目立つプレー。蒲原晶昭監督も認めるパフォーマンスでアピールを続けてきた。

 また、吉田が「普段は相当いじられキャラとかで面白い。普段をもっとサッカーに出せればと思っていました。身体も、体幹もしっかりしているし、最近大学生相手でもロングボールを収めたりしていたので、そういうところは強みですね。収めれるので安心してそこに出せる」と評価するFWは、好調を維持。全国大会での先発奪還の可能性も十分にありそうだ。

 溝口はDESAFIORA FCの出身。当時、DESAFIORA FCが佐賀東のグラウンドを練習場として使用していたこともあり、中学時代は佐賀東の選手たちのプレーを横目にトレーニングしてきた。「お兄ちゃんが佐賀東に来ていて、サッカーも面白そうなので(佐賀東へ)来ました」。兄・陽也(現・佐賀大)が佐賀東の先発FWとしてインターハイ出場。兄に続く形で佐賀東に進学し、1、2年生時の我慢の時期を乗り越えて最終学年で出番を掴んだ。

 山梨学院との初戦から始まる全国大会の目標は優勝。「みんな全国優勝を目指して頑張っています。(個人としては)身体負けとかすぐに取られたりしないで、起点とかになれたら良いと思っています」と意気込んだ。ポジションを争うFW川原一太(3年)、小嶋らとともに最高の準備をして初戦を迎え、ピッチでチームの力になる。

(取材・文 吉田太郎)
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