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県3部から選手権にたどり着いた中部大一…伊藤裕二監督、初戦で涙も「ここに連れてきてくれて、ありがとう」

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選手権初出場を果たした中部大一高(愛知)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 全国高校選手権1回戦 中部大一高 0-5 大津高 NACK]

 初めて辿り着いた選手権の舞台。対戦相手は優勝候補の一角・大津高(熊本)だった。「この試合にすべてを懸けていた」(伊藤裕二監督)。しかし、0-5で敗れた中部大一高(愛知)は初戦で涙をのむことになった。

 県3部リーグながらも、愛知県予選では県1部リーグのチームを次々と下し、初めて選手権への切符を手に入れた。「愛知県がずっと1回戦を勝てていないことがあり、初戦しか見ていなかったし、この試合にすべてを懸けていた。全国でも強豪の大津高校で難しい試合になると最初から分かっていたので、少しでも1、2年生が次につなげていけるような経験をしてくれればと思っていた」(伊藤監督)。

 試合開始早々の前半4分にセットプレーから先制点を献上すると、同27分にはセットプレーの流れからリードを2点差に広げられてしまう。「警戒していたセットプレーでやられてしまった。警戒はしていたけど、球の質、高さのところでは、かなわなかったと思う」と大津のレベルを実感。

 その後も前半35分、後半19分、同35分に失点してリードを5点差に広げられる。何とか反撃に出ようとしたものの、カウンターからフィニッシュに持ち込む場面は限られ、得点を記録することなく0-5の完封負けを喫した。

 初めて立った舞台で感じた強豪校との差。しかし、そのレベルを肌で感じたことで、目標も明確となる。「選手たち自身に強い気持ちがわいてきたと思うので期待したい」と来年以降のチームを支える1、2年生に期待を寄せつつ、「全国にくるのが夢だったので彼らに感謝したい。ここに連れてきてくれて、ありがとうという気持ちしかない」と新たな歴史を築いた選手たちに感謝を伝えた。

(取材・文 折戸岳彦)

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