beacon

[MOM3744]矢板中央GK藤井陽登(3年)_神がかった“3連続”PKストップ!! 凄みを増す逸材GKが3年連続の衝撃

このエントリーをはてなブックマークに追加

GK藤井陽登(3年)が“3連続”PKストップ(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権2回戦 米子北2-2 PK2-3矢板中央高 柏の葉]

  “3年目”も特大のインパクトを残した。2-2で迎えたPK戦でGK藤井陽登(3年)が驚異の3人連続PKストップだ。矢板中央高(栃木)は3年連続で大会初戦がPK戦となったが、逸材PKストッパーが3年連続で大仕事を成し遂げた。

 仲間を救うために奮い立った。先行の米子北は2人連続でPKを成功させたが、後攻の矢板中央は2人目のMF大畑凜生(3年)のキックが止められてしまう。PK失敗に目頭を押さえた大畑はチームの心臓であり、寮では同部屋の盟友だった。

「凜生はチームを引っ張ってくれる存在。チームもそうだし、凜生を救いたいという思いで気合が入った」

「俺が止めるから下を向くな」。そう声をかけた藤井は、集中力を研ぎ澄ませた。続く3人目、4人目、5人目のコースを完全に読み切り、神がかった3連続PKストップ。「先に飛ばず、自分が決めた方向に飛ぶことを意識した」。PK3-2でインターハイ準優勝の米子北を打ち破った。

「3年連続なので、きょうは結構楽しかったです」

 1年次に選手権初戦・大分戦でPK戦のヒーローになり、その名を轟かせた藤井。さらに、前回大会は2回戦・徳島市立戦、3回戦・東福岡戦と2試合連続のPK戦を迎えたが、いずれも殊勲のPKストップでチームを勝たせ、評価を高めた。今大会はナンバーワンGKとして注目されたが、プレッシャーの中でも真価を発揮した。

 自身も「初めて」という3連続ストップの偉業を達成。「これまでは緊張があったり、プレッシャー、硬さがあったけど、今回はリラックスできて楽しかった」と笑顔で振り返った。

 PK戦以外でも勇気のある飛び出しで窮地をしのぎ、好反応からのビッグセーブで会場をどよめかせた。先制された展開でもキャプテンとして声をかけ、「チームに前を向かせて戦わせることを意識した」。そして、目覚ましい活躍でPK戦の主役の座を射止め、チームを3回戦へと導いた。

 自らの評価を高めてきた選手権の舞台で、さらに凄みを増した守護神は「チームを救うのはキーパーだと思うので、PK戦で勝たせられたのは良かった」と胸を張った。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP