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[MOM3746]関東一GK笠島李月(3年)_カンイチの歴史を塗り替えた守護神。PK戦で2本ストップ!

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関東一GK笠島李月(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 尚志高0-0 PK5-6関東一 柏の葉]

「2回戦を突破して、カンイチの歴史を変えられたことが一番嬉しい」。関東一高(東京B)が16、20年度大会で跳ね返された2回戦の壁を破り、初のベスト16入り。0-0で迎えたPK戦でGK笠島李月(3年)が2本を止める活躍ぶりを見せ、歴史を塗り替えた。

 80分間は尚志のキーマンを封じ、ゴールを死守した。笠島は観衆を沸かせるビッグセーブを見せれば、相手のセットプレー時はDF陣と協力し、空中戦で無双する超高校級DFチェイス・アンリ(3年)の脅威をしのいだ。CKでアンリのマークについた主将DF池田健人(3年)は「自分がついて負けてしまった中でも笠島が出てきて、笠島がいる安心感がかなりありました」と守護神の頼もしさを口にした。

 迎えたPK戦は、仲間のエールを力に変えた。「GKが止めれば勝負が決まると思っていた。後半が終わってベンチに戻ったときに、みんなから『李月なら止めてくれる』という声をかけてもらって、勇気が湧いてきた」。

 後攻の関東一は1人目が失敗してしまったが、その直後に、痺れるPKストップで悪い流れを断ち切った。「1本目を外した状況だったので、自分が止めてチームを勢いづけるという意味でも、良い場面で止められた」。笠島は2人目のコースを読んで横っ飛びで止め、流れを引き戻した。

 その後もコースは当たっていた中で、サドンデスにもつれ込んだ7人目のキックを足に当てて止め、歓喜の瞬間を呼び込んだ。ヒーローになった守護神は「仲間が決めると信じてPKに臨んでいたので、勝利を掴めたと思います」と、謙虚にチームメイトへの感謝を強調した。

 そんな笠島の活躍ぶりを小野貴裕監督は称賛。「先日の西武台とのプリンスリーグ参入戦では日頃の練習の成果を出せなかったシーンも見られた」としたうえで、「今回は持てる力をしっかり発揮してくれたので、安心して見ていられた。きょうは彼のおかげで勝てたと思います」と目を細めた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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