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「うまく浮かすことができた」青森山田MF松木玖生が技ありの一発

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後半28分、MF松木玖生が技ありのチップキックで追加点

[12.31 選手権2回戦 大社高 0-6 青森山田高 駒沢]

 なかなか点が入らなくても焦りはなかった。前半をスコアレスで折り返した青森山田高(青森)だが、後半に怒涛の6ゴール。MF松木玖生(3年、FC東京内定)は「前半は硬さがあったけど、後半はうまく自分たちらしいサッカーができての6点だったと思う」と胸を張った。

「初めての選手権という選手も何人かいるし、絶対に緊張する。(選手権を)経験している自分たちがいかに彼らを緊張させずにうまくプレーさせるか」。0-0の展開にも慌てず、動じず。キャプテンの言動がチームを落ち着かせた。これには黒田剛監督も「キャプテンの松木を中心にすごく冷静にやってくれた」と賛辞を惜しまない。

 ピッチ上のプレーで示した。「前半に関しては全員が全員、得点を奪わなきゃいけないという前への意識が強くて、逆に空回りして、そこが噛み合わなかった」。前回大会の初戦となった2回戦も広島皆実(広島)の6バックに苦しみ、前半は0-0だった。それでも後半5分に当時2年生だった松木が先制ゴール。2-0の白星発進にチームを導いた。

「去年と同じく、1試合目の前半は難しい展開になると思っていた。案の定、チームとしてもあまり受け入れられない試合展開だったけど、昨年も後半になるにつれてどんどんプレーが良くなった。そこは割り切って、自分と(宇野)禅斗を中心にボールを回しながら良い展開を生み出すことができたのは良かったと思う」

 後半3分にCKから先制すると、一気にたたみかける。2-0で迎えた後半28分、MF藤森颯太(3年)の縦パスを途中出場のMF小原由敬(3年)がワンタッチでスルーパス。PA内右に走り込んだ松木が、前に出てきたGKの頭上を越す技ありのチップキックでゴールネットを揺らした。

「うまく3人目の関わりで、(小原)由敬も自分のことを見てくれていた。ちょっと前にボールが出たけど、GKが前に出てきたので、うまく浮かすことができてよかった」

 全国高校選手権では1年時に4ゴール、2年時に2ゴール決めている松木にとっては3大会連続となるゴールで通算7得点目。注目もプレッシャーも力に変える背番号10は「チームでしっかり練習して、次の相手に向かっていきたい」と足元を見る。過去2大会の準優勝を超える日本一で3冠なるか。来年1月2日の3回戦では、この日奈良育英に8-0で大勝した阪南大高(大阪)と対戦する。

(取材・文 西山紘平)

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