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[MOM3745]阪南大高FW鈴木章斗(3年)_柔と剛で奪った圧巻5発!次戦、真価が問われる青森山田戦へ「チャレンジャーとして挑みたい」

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2戦6発の阪南大高FW鈴木章斗に、敵将も「想像以上でした」と脱帽

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権2回戦 奈良育英高 0-8 阪南大高 西が丘]

 止める術がなかった。湘南ベルマーレ内定、大会注目のストライカーのひとり、阪南大高(大阪)のFW鈴木章斗(3年)は、ピッチで圧倒的な存在感を見せつけた。前半だけでハットトリック、80分を通して5得点というだけでも特筆すべき記録だが、多彩な得点パターンも目を見張った。

 1点目は「狙っていた」というカウンターから。ハーフライン手前から長い距離をドリブルで持ち上がって、右足のシュートを決めた。

 自身もこの日の印象的なゴールに挙げた2点目は、浮き球を右足でとらえた2点目のボレー。「クロスを上げろ」とボールを呼び込んでいた中で、DF今西一志(2年)のクロスを右足でとらえた。「けっしていいボールではなかった」というが、抑えの効いたシュートはきれいにゴール右隅に吸い込まれた。

 守備能力の高さも垣間見せたのは3点目だ。相手DFが敵陣深い位置でボールを持ったところで、「左足を消しに行った」(鈴木)ことでボール奪取に成功。そのままゴール前に迫って左足で決めきった。

 豪快な得点から一転、柔らかさを見せたのが、MF田中大翔(3年)のクロスを合わせた4点目。左サイドからのクロスがDFとGKの間でバウンドすると、素早くポジションをとってワンタッチで流し込んだ。

 最後の5点目は、DF保田成琉(2年)のクロスを右足でコントロールすると、左足で決めてみせた。

 この日、鈴木が記録したシュートは「6」。6本のシュートで5つのゴールという驚異の決定力を残した。

 鈴木が輝きを放ったのは、シュートシーンだけではない。やわらかいタッチでボールをおさめ、DFに寄せられてもボールコントロールは乱れなかった。「もともと技術がある選手なので、ちょっとずつ力強さがついてきた」とは、濱田豪監督の鈴木評だ。憧れの選手と公言する、FW大迫勇也のように柔らかさと強さを備えている。指揮官は「のびしろを持っている選手」とストライカーとしてのポテンシャルの高さを評価しつつ、「まわりをコントロールしたりというのはまだまだやってもらいたい」とキャプテンとしての成長にも期待を寄せた。

 続く3回戦は、優勝候補の青森山田高に決まった。優勝、そして大迫勇也が持つ大会得点記録(10得点)。これらを達成するためにも越えなければならい壁だ。「インターハイ王者なので、チャレンジャーとして挑みたい」。超高校級ストライカーは、“夏の王者”を破ることができるのか、注目の一戦は1月2日、駒沢陸上競技場で行われる。

(取材・文 奥山典幸)

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