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強烈なインパクト残したPKストッパー。矢板中央GK藤井陽登、涙の選手権終幕「今までで一番後悔がある」

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矢板中央GK藤井陽登(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権3回戦 関東一3-2矢板中央 フクアリ]

 1年生から矢板中央高(栃木)のゴールマウスを守り、選手権で強烈なインパクトを残してきたGK藤井陽登(3年)の高校サッカーが幕を閉じた。

「初戦の米子北戦もそうだし、関東一戦も、自分のミスで失点してしまっている。自分のキックの安定性もなかった。いつもの自分を出せなかった。今までの試合の中で一番後悔がある」。言葉に悔しさをにじませた。

 例年以上に得点力のあるチームだったが、伝統の堅守には緩みが出た。2-2に追いついた後も耐え切れず、関東一に決勝点を許した。試合終了の笛が鳴ると、チームはピッチに崩れ落ちた。「みんなともうサッカーができない」。ロッカールームでは思いがこみ上げ、涙があふれた。

 矢板中央は19年、20年度大会で2年連続選手権ベスト4入りを果たした。その立役者となったのは紛れもなく藤井だった。青森県十和田市出身。地元の十和田中時代はまだ全国的には無名だった。しかし、選手権デビューを飾った1年次、初戦の大分高戦でいきなりPK戦のヒーローになると、大会を通して好セーブを連発した。

 前回大会は2回戦・徳島市立戦、3回戦・東福岡戦と2日連続でPK戦を迎えたが、いずれもPKストップを連発。チームを勝たせるビッグセーバーは、日本高校選抜も経験して進化を遂げた。

 迎えた今大会は初戦の米子北戦でPK戦にもつれ込んだが、衝撃の“3連続”ストップ。驚異的なパフォーマンスでインターハイ準優勝校を打ち破った。選手権は自らの真価を証明し、チームとともに成長を遂げてきた舞台。最後は悔しい幕切れとなったが、「次に向かっていければ」と敗戦を受け止めた。

「3年間やってきて、選手権のピッチに立てたのはとても誇らしいこと。次のステージで生かしていきたい」。明治大に進学し、大卒プロ入りを見据えて新たなスタートラインに立つ。

「大学でしっかり1年生から試合に絡めるように努力して、プロを目指して頑張っていきたい」



(取材・文 佐藤亜希子)

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