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痺れる決勝ゴール! “エース対決”制した関東一FW本間凜「尊敬していた人」「頼むぞ」両9番が選手権で再会

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決勝ゴールを挙げた関東一高FW本間凜(2年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権3回戦 関東一3-2矢板中央 フクアリ]

 関東一高(東京B)に値千金の3点目をもたらしたのは、最前線に君臨するFW本間凜(2年)だった。シーソーゲームの終了間際に最後のチャンスを仕留め、痺れる決勝ゴール。関東一を史上初の準々決勝へと導く殊勲弾となった。

 苦しい時間帯に、チームメイトを信じて走った。2-2で迎えた後半38分。MF肥田野蓮治(3年)が前を向いた瞬間、本間は猛然と前線へ走り込んだ。「蓮二くんが前を向いた瞬間、チャンスになると分かっていた」。巧みに抜け出し、スルーパスを呼び込む。「逆足だったので、合わせることを意識した」。素早いモーションで利き足ではない左足を振り抜き、強烈なシュートでゴール左上隅を射抜いた。 

 “エース対決”を制し、関東一の歴史を塗り替えた。得点を争った矢板中央エースFW藤野和哉(3年)は小学生時代、JSC CHIBAで共にプレーした1学年上の先輩。互いに選手権を前に調子を上げ、東京都予選では本間が、栃木県予選では藤野が、揃って4戦連発でチーム最多得点をマーク。選手権のピッチでも、互いに初戦で1ゴールを挙げていた。

 試合前日に連絡を取り合い、キックオフ前のピッチ確認では握手をした。得点感覚に優れる両9番は最高の舞台で競演を果たした。

「小学校の頃、本当に尊敬していた人だったので、こういう大きな舞台で和哉くんと対戦できるとは思っていなくて、嬉しかった。和哉くんを超えたとは言い切れないけど、自分のゴールで矢板中央より上にいけたことは嬉しい」。史上初の8強進出。試合後は「頑張れよ。頼むぞ」と声を掛けられ、「その分、次に勝たないといけない」と気合を入れ直した。

 準々決勝に駒を進め、静岡学園高への挑戦権を得た。大量8得点で3回戦を突破した技巧派軍団の攻撃は驚異的だが、「そこで怯むことはない。自分たちはやれると思う」。あと1勝すれば、開幕戦を戦った国立競技場に戻ることができる。「国立に戻って、またあの素晴らしい舞台でやりたい。チーム一丸となって戦っていけたら」と決意をにじませた。



(取材・文 佐藤亜希子)

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