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前半に挙げた1点を守り切って前橋育英を撃破した大津が初の選手権4強進出!

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大津高はMF一村聖連が先制点を奪う!

[1.4 選手権準々決勝 大津高 1-0 前橋育英高 フクアリ]

 4日に行われた第100回全国高校サッカー選手権準々決勝、フクダ電子アリーナの第1試合では大津高(熊本)と前橋育英高(群馬)の強豪対決が実現。大津が1-0で勝利を収め、国立競技場で行われる準決勝へと駒を進めている。

 2回戦で東福岡高(福岡)、3回戦で佐賀東高(佐賀)と同じ九州勢を撃破してきた大津は、この日も4-4-2の布陣でスタート。GKに佐藤瑠星(3年)、4バックは右からDF和田理央(3年)、DF寺岡潤一郎(3年)、DF川副泰樹(3年)、DF岩本昌太郎(3年)が並ぶ。中盤はドイスボランチにMF薬師田澪(3年)とMF森田大智主将(3年)、右SHにMF一村聖連(3年)、左SHにMF田原瑠衣(2年)を配し、2トップにはFW小林俊瑛(2年)とFW川口敦史(3年)が入った。

 日本一に輝いた第96回大会以来となる、4年ぶりの準々決勝へ勝ち上がってきた前橋育英も4-4-2を敷く。GKは渡部堅蔵(3年)、DFラインは右からDF大竹駿(3年)、DF柳生将太(3年)、DF桑子流空主将(3年)、DF岩立祥汰(3年)の4枚。ボランチにはMF徳永涼(2年)とMF根津元輝(2年)の注目2年生コンビが置かれ、SHは右にMF渡邊亮平(3年)、左に長崎内定のMF笠柳翼(3年)が。前線にはFW小池直矢(2年)とFW守屋練太郎(3年)が並ぶ。

 ファーストシュートは前半4分の前橋育英。小池のパスから、初戦でハットトリックを達成した守屋がフィニッシュ。ボールは枠の右へ外れたものの、7分にも決定機。今度は右サイドを運んだ小池のクロスに、守屋が枠内シュート。ここは佐藤がビッグセーブで回避するも、以降も前橋育英が左右にボールを散らしながら、攻勢の時間を作る。

 しかし、スコアを動かしたのは押し込まれていた大津。11分。右サイドで前を向いた一村が中へ短く付けると、小林は完璧なリターン。会心のワンツーで抜け出した一村のシュートが、ゴールネットを揺らす。“右の槍”が強烈な一刺し。大津が鮮やかなアタックで先制点を奪う。

 ビハインドを負った前橋育英は、それでも攻める。33分には右サイドから左足に持ち替えた大竹が優しいパスを裏へ落とし、走った守屋はマーカーを切り返しで外して、左足で枠内へ。だが、ここも世代屈指の守護神・佐藤が落ち着いてセーブ。39分にも守屋、笠柳と回したボールから、渡邊が放ったシュートも佐藤がキャッチ。ワンチャンスを生かした大津が1点のリードを手にして、最初の40分間は終了した。
 
 後半11分も前橋育英。大竹のパスを受けた根津が縦に打ち込み、守屋のパスに小池が抜け出すも、よく戻ったボランチの薬師田がきっちりカバー。最後の局面で確かな守備の強さを発揮すると、14分には大津にビッグチャンス。岩本のフィードに小林が抜け出すも、前橋育英のGK渡部がタイミング良く飛び出してファインセーブ。追加点は許さない。

 名将・山田耕介監督が動く。15分には3回戦の鹿島学園高(茨城)戦で2ゴールを挙げたFW高足善(2年)を、18分には群馬内定のDF岡本一真(3年)を相次いでピッチへ送り込み、勝負の采配を。一方の大津は絶対的な主将の森田が負傷でプレー続行が難しく、MF宮川央佑(3年)との交代を余儀なくされる。

 22分も前橋育英。岡本の左クロスがこぼれ、根津が叩いたミドルは代わったばかりの宮川が執念のブロック。大津は23分に2枚目のカードとしてDF坂田東梧(3年)を投入したタイミングで、5バックにシフト。守備意識の徹底を図る。

 29分も前橋育英。守屋のパスで右サイドを破った渡邊の折り返しに、岡本がフリーで放ったシュートは枠の左へ。攻める前橋育英。守る大津。ハッキリした構図の中で終盤の激しい攻防が続く。

 だが、相手が中央に放り込むセットプレーやクロスは、すべて大津のGK佐藤が確実にキャッチするハイパフォーマンスを披露。主将が負傷退場するアクシデントにも屈せず、ゴールに鍵を掛け切った大津が1-0で粘り勝ち。同校初の選手権ベスト4進出、国立競技場でプレーする権利を力強く手繰り寄せている。

(取材・文 土屋雅史)

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