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関東一が劇的ドラマで初の4強入り!! 後半40分に同点弾、PK戦で古川ストップ静岡学園撃破

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GK笠島李月(3年)がPKストップ

[1.4 選手権準々決勝 静岡学園高 1-1(PK3-4) 関東一高 フクアリ]

 第100回全国高校サッカー選手権は4日、準々決勝を行い、フクダ電子アリーナの第2試合では静岡学園高(静岡)と関東一高(東京B)が対戦した。終始攻め続けた静岡学園が後半20分にゴールをこじ開けたが、圧倒され続けていた関東一が同40分にファーストシュートで同点。PK戦の末に関東一が4-3で勝利し、史上初のベスト4進出を果たした。

 静岡学園は3回戦の宮崎日大戦(○8-0)と同じ先発。GK生嶋健太郎(3年)がゴールを守り、4バックは右からDF西村湧志(3年)、DF三宅優翔(3年)、DF伊東進之輔(3年)、DF野村海翔(3年)。ダブルボランチはMF小泉龍之介(3年)、MF玄理吾(3年)が組み、サイドハーフは左がMF古川陽介(3年)、右がMF川谷凪(3年)。トップ下にMF菊池柊哉(3年)、1トップにFW松永颯汰(3年)が入った。

 対する関東一は過去3試合の3-4-2-1とは違い、4-4-2のシステムを採用。GKは笠島李月(3年)で、4バックは右からDF倉持耀(2年)、DF堀井榛人(3年)、DF池田健人(3年)、DF矢端虎聖(2年)。ダブルボランチはMF藤井日向(3年)、MF神山寛尚(3年)が構え、サイドハーフは左がMF若松歩(3年)、右がMF肥田野蓮治(3年)。2トップをFW本間凜(2年)とFW鹿岡翔和(2年)が組んだ。

 ここまで3試合を14得点0失点という驚異的な戦績で勝ち上がってきた静岡学園が、この日も一方的に主導権を握った。まずは前半5分、川谷のシュートが堀井を強襲。同8分には関東一も神山のミドルシュートでゴールを狙ったが、脅威を与えるには至らない。

 前半15分には静岡学園に最初の決定機。野村のサイドチェンジが川谷に入り、うまく抑えたシュートを放ったが、笠島に阻まれた。同16分、川谷のミドルも笠島が横っ飛びでセーブ。防戦一方の関東一もしっかりと耐え抜いた。

 前半22分、静岡学園は古川のドリブル突破で左サイドをえぐると、折り返しのボールに菊池がゴール目前で反応するも、打ち切れずに決定機逸。同26分にも古川の突破から左を崩し、スルーパスから野村が狙ったが、ここでも笠島が立ちはだかった。

 なおも攻めるのは静岡学園。前半30分、野村の左CKから189cmの伊東がハイタワーヘッドで狙うも、関東一の神山がライン上でなんとかかき出す。その後も古川のドリブル突破を主体にハーフコートゲームを展開した静岡学園だったが、最後までスコアを動かせず0-0でハーフタイムを迎えた。

 ハーフタイム明け、関東一は古川と対峙していた倉持に代えてDF下田凌嘉(3年)を投入。相手のストロングポイントにフレッシュな選手を当てた。それでもがその後、静岡学園は右サイドでの攻撃が活性化。川谷の突破からさっそく決定機をつくった。

 静岡学園は前半11分、西村のスローインを後ろ向きで受けた松永がボレーで狙うも笠島がまたもファインセーブ。同12分には左をオーバーラップした野村のクロスから松永が頭で合わせたが、惜しくも枠を外れた。同16分には菊池に代わってFW持山匡佑(3年)を投入。2トップにしてさらに攻撃姿勢を強めた。

 すると後半20分、懸命に攻め続けた静岡学園がついに試合を動かした。左サイドを切り裂いた古川が左足でハイクロスを送り込むと、ファーサイドに走り込んだ持山がヘディングで折り返し、3列目から飛び込んできた小泉がペナルティエリア内で反応。ダイレクトで右足を振り抜き、DFとGKの股を抜くグラウンダーシュートを突き刺した。

 静岡学園はなおも止まらない。後半25分、野村のクロスにまたも松永が合わせたが、決定的なシュートは惜しくもゴール右へ。同26分には左サイドバックの野村が右の高い位置を駆け上がり、右足で強烈なシュートを狙うも左に外れた。それでも次から次に決定機をつくり、攻め手を緩める気配は見せない。

 対する関東一はなんとかカウンターに出たいところだが、攻撃起点で静岡学園の素早いプレッシングに遭い、ボールを握ることもままならない。後半36分には静岡学園が大チャンス。古川の猛烈なプレスからカウンターを仕掛け、持山が巧みなグラウンダーシュートを放つ。だが、これは関東一の笠島がスーパーセーブを見せた。

 すると終了間際、攻められ続けていた関東一が奇跡的なドラマを演じた。後半40分、中盤からのロングフィードが左サイドに入ると、途中出場のMF日下空(3年)が果敢なドリブル突破からグラウンダーのクロスを配給。これにファーサイドで反応したのも途中出場のFW坂井航太(3年)。スライディングシュートでネットを揺らし、土壇場で同点に追いついた。

 まさかの後半ファーストシュートで追いつかれた静岡学園は後半アディショナルタイム2分、古川の左足ミドルでゴールを狙うも、またも笠島のビッグセーブに阻まれる。そのまま試合はタイムアップ。勝負はPK戦に委ねられた。

 両チームともに1人目のキックはネットを揺らしたが、勝負を分けたのは2人目。静岡学園の古川のキックを笠島が横っ飛びで阻んだ。関東一は2人目も成功させると、3人目は静岡学園と関東一がともに枠外。4人目は両チームともに成功させ、迎えた5人目、静岡学園は先攻の持山が成功したが、関東一もキャプテンの池田が落ち着いて決め、試合が決まった。

 死闘を制した関東一は8日、国立競技場で行われる準決勝で大津高(熊本)と対戦する。

(取材・文 竹内達也)

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