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青森山田に流れ引き戻した松木玖生「気持ちで」同点PK弾! 国立の準決勝へ「自分たちは勝てるチーム」

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青森山田高MF松木玖生(3年)が同点PK弾(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.4 選手権準々決勝 青森山田2-1東山 等々力]

 青森山田高(青森)は接戦を制し、4年連続の4強入りを果たした。他会場では静岡学園高(静岡)が破れる波乱もあったが、優勝候補の大本命は3大会ぶりの大会制覇と“3冠”へ前進し、国立競技場に乗り込む。

 前半16分に先制を許したが、前半アディショナルタイムにFC東京内定MF松木玖生主将(3年)がPK弾を沈め、前半のうちに追いついた。「前半で1点を返せた。1-1で折り返せたことが我々としてはすごく良かった」。黒田剛監督は同点弾の価値を説いた。

 今大会で初めて先制を許す展開となったが、立て直した。「焦ることはない」。キャプテンマークを巻く10番はチームに声をかけた。すると前半40分、松木のパスで抜け出したMF田澤夢積(3年)のクロスが相手のハンドを誘発。PKのチャンスを獲得した。

 審判のチェックでやや時間がかかり、難しい場面。キッカーは松木。「時間が空いていたので、どっちに蹴るか、タイミングもいろいろ迷った」。一息ついて左足で狙ったキックは相手GKに反応されながらも、ゴールマウスに吸い込まれた。

「危なかったけど、気持ちで入ったゴールかなと思います」。1-1で迎えた後半14分には“お家柄”のロングスローからFW渡邊星来(3年)が逆転弾。引き締まった守備で東山の反撃を跳ね返し、2-1でタイムアップを迎えた。苦しみながらも逆転勝利した試合の価値について、松木はこう語った。

「阪南大戦に続いてすごくタフなゲームになりましたが、こういう試合がないと気の緩みで、隙を突かれて負けることもある。監督からも隙というところは厳しく言われている。隙をつくらないように、タフな良いゲームができたことはよかったです」

 常勝チームにも選手権特有の緊張感はあるが、「今大会は全体的に硬さが見られている。普段通りにやれば、必ず自分たちは勝てるチーム」と強調。8日の準決勝はトリッキーなセットプレーで話題を呼ぶ高川学園高(山口)と対戦する。「この3日間でやるべきことの確認、相手の戦術的な部分も理解しないといけない。伸び伸びプレーできれば勝てる相手。自分を中心にミーティングを重ねて、みんなの意見を聞いて、次に活かしていきたい」。表情を引き締め、国立競技場で行われる準決勝を見据えた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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