beacon

決勝で驚異の被シュート0本…黒田剛監督は男泣き「パーフェクトなゲーム」青森山田が偉業達成!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

感極まる黒田剛監督(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.10 選手権決勝 大津高 0-4 青森山田高 国立]

 圧倒的な強さで偉業を成し遂げた。青森山田高(青森)が3大会ぶりの王座奪還。インターハイ、プレミアリーグEASTに続く“3冠”を達成し、新国立競技場の初代王者に輝いた。

 青森山田らしく、完璧な試合内容だった。前半37分、MF藤森颯太(3年、U-18代表候補)の左CKからDF丸山大和(3年)が頭で押し込み、先制に成功。FW名須川真光、FC東京内定MF松木玖生(3年、U-22代表)が追加点を挙げれば、FW渡邊星来(3年)がダメ押しの4点目。攻守に圧倒し続け、驚異の被シュート0本。節目の第100回大会を完勝で締めくくった。

 4-0で試合終盤に向かうと、黒田剛監督はあふれ出る涙を何度も拭った。迎えた歓喜の瞬間。「春先にキャプテンの松木が掲げた3冠は、そんなに甘いものではないだろうということで、苦しみながらきた。まさかこの100回大会、記念すべき年に全てのタイトルを獲れるとは。夢のようです。素晴らしい選手に恵まれて幸せな気分です」と喜びを口にした。

「シュートを打たせない、リスタートも取らせない、そして堅守速攻、ボールポゼッション、リスタート、すべてにおいて何でもできるサッカーを志向してきた。その形が今回の決勝戦で見せたサッカー。今日は本当にパーフェクトなゲームをやってくれたなと思います」

 高校サッカー界の“ラスボス”と恐れられた常勝軍団は、「打倒・青森山田」を掲げる相手を返り討ちにしてきた。公式戦は年間わずか2敗。リベンジを期す相手の挑戦をことごとく跳ね返し、高体連には無敗でシーズンを終えた。

「春から“打倒・青森山田”という言葉が全国各地から聞こえてきて、山田をどこが倒すんだろうと聞こえてきた中で、もちろん選手たちの耳にも入っていたと思います。かなりのプレッシャーや重圧が彼らに圧し掛かってきていたことは我々も見て取れていたんですが、その何倍ものパワーを感じたし、そんなものは簡単にはねのけるぐらいの、彼らの勝ちたいという意欲が1年間を通して見られました」

「最初は3冠なんてやれるかどうかという、今のこの時代、そんなに甘いものではないなという見方もあったんですが、本当に達成したことを今から考えてみると、本当に力強い、強いチームだったと改めて実感できます」。期待やプレッシャーを乗り越え、圧倒的な強さで悲願を達成した青森山田。黒田監督は選手たちへの賛辞を惜しまなかった。



(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP