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「トルメンタ」発動できず高川学園散る…青森山田が6発圧倒! 4年連続ファイナル進出、王座奪還へ王手!

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青森山田高が3冠へ前進(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.8 選手権準決勝 高川学園0-6青森山田 等々力]

 第100回全国高校サッカー選手権は8日、国立競技場で準決勝を行い、第2試合は高川学園高(山口)と青森山田高(青森)が対戦した。青森山田が6-0で勝利し、4年連続のファイナル進出。3大会ぶりの王座奪還、3冠達成へ王手をかけた。

 青森山田は4-4-2の布陣でGKは沼田晃季(3年)、4バックは右からDF中山竜之介(2年)、DF丸山大和(3年)、DF三輪椋平(3年)、MF小野暉(3年)。ボランチはFC東京内定MF松木玖生(3年)と町田内定MF宇野禅斗(3年)が縦関係のコンビを組み、右サイドハーフにMF藤森颯太(3年)、左にMF田澤夢積(3年)。FW渡邊星来(3年)とFW名須川真光(3年)が2トップを形成した。

 対する高川学園は前身の多々良学園高時代の07年度大会以来、14年ぶりの4強入り。“山田対策”として5-3-2のフォーメーションを採用し、GKは徳若碧都(3年)、5バックは右アウトサイドに今大会初先発初出場のFW武藤尋斗(2年)を起用。3枚は右からDF加藤寛人(3年)、MF岡楓太(2年)、DF山崎陽大(3年)で、左アウトサイドにDF田島黎門(3年)。MF北健志郎(3年)をアンカーに据え、インサイドハーフにMF林晴己(3年)とMF桑原豪(3年)が並び、FW小澤颯太(3年)とFW中山桂吾(3年)が2トップを形成した。

 いきなり試合を動かした。青森山田は前半3分、左後方からのFKで藤森が右足で絶妙なクロスを入れると、混戦の中から名須川が見事なバックヘッドで合わせ、先制ゴール。幸先良く先手を取った青森山田は主導権を握り、さらにセットプレーのチャンスを仕留めた。

 前半26分、藤森の左CKを蹴り込み、サインプレーでフリーになった丸山がファーサイドから頭で合わせ、2-0。対する高川学園は守備にさらされる時間帯が続いたが、前半37分、岡がボールを奪って田島がスルーパスを通し、カウンターへ。抜け出した山崎が高い位置で相手DFから奪い返してシュートを狙ったが、GK沼田が防いだ。

 セットプレーのチャンスなく前半を折り返した高川学園は後半開始と同時にFW梅田彪翔(2年)を投入し、4-2-3-1に変更。反撃に出たが、次の一点を奪ったのも青森山田だった。後半13分、右サイド深い位置で藤森が体を張ってキープすると、受けた松木が相手守備をかわして突破し、角度のない位置から左足シュートを突き刺した。

 得点後、松木は腕に巻いた喪章を天に掲げ、7日に逝去した長崎総合科学大附高監督・小嶺忠敏さんへ哀悼の意を表した。

 後半21分に青森山田はFW小湊絆(2年)を送り込み、直後に高川学園も2試合連続で決勝ゴールを挙げているMF西澤和哉(3年)を投入。最後の反撃に出たが、青森山田は隙を見せなかった。後半25分、スルーパスに抜け出した藤森が折り返すと、小湊が押し込んだ。

 青森山田は試合を支配し、最後まで攻撃の手を緩めない。後半40分にはCKからニアサイドに飛び込んだ丸山が頭で合わせ、後半44分にはMF田中栄勢(3年)が技ありゴール。青森山田は相手の得意とするセットプレーを1本も与えず、円陣回転セットプレー「トルメンタ」を発動させなかった。6-0で快勝した青森山田は10日の決勝で大津高(熊本)と対戦する。

(取材・文 佐藤亜希子)

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