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喪章掲げた青森山田MF松木玖生、天国の小嶺先生に捧げるゴール「高校サッカーを築いてきた方に向けた得点」

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青森山田高MF松木玖生主将(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.8 選手権準決勝 高川学園0-6青森山田 等々力]

 7日に逝去した高校サッカー界の名将に捧げるゴールだった。青森山田高(青森)のFC東京内定主将MF松木玖生(3年)は自らの得点後、喪章を天に掲げ、哀悼の意を示した。

 長崎総合科学大附高の監督だった小嶺忠敏さんが7日、旅立った。準決勝前には黙とうが捧げられ、両チームの選手は国立競技場のピッチで喪章を巻いてプレーした。

 2-0で迎えた後半13分だった。右サイド深い位置でMF藤森颯太(3年)が体を張った流れから、こぼれ球に反応したのは松木。強さとテクニックで相手をかわして突破すると、角度のない位置から左足シュートを逆サイドのサイドネットに突き刺し、チーム3点目。左腕に巻いた喪章を外して天に掲げ、両手を合わせて祈りを捧げた。

「自分たちはインターハイの初戦で長崎総合科学大附とプレーして、その時に小嶺先生がベンチにいらした。直接関わりはありませんが、高校サッカーを築いてきた方に向けた得点だった」。高校サッカー界をけん引してきた名将へ、プレーとパフォーマンスで敬意を示した。

 準々決勝の東山戦は硬さが見られた課題があったが、しっかりと立て直し、試合を通して“青森山田らしさ”を表現した。「プレミアリーグでできていたものが、選手権でできないはずがない」。攻守両面、セットプレーとあらゆる局面で圧倒し、シュート数は18対2。相手にコーナーキックの機会を一度も与えず、試合を支配した。

「この試合で自分たちらしいサッカーを取り戻した。生き生きとプレーできていると思う」と手応えをにじませた松木。6-0で快勝し、2年連続で涙を呑んだ決勝の舞台へ。「次は自分たちのコンディション次第。大津はかなり強敵ですし、気の緩みがあったら簡単に得点を取られてしまう。まだ自分たちは選手権で何も成し遂げていないので、チームでミーティングしながら頑張っていきたい」と引き締めた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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