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3年間で通算15試合10得点。“選手権の申し子”青森山田MF松木玖生は日本一でフィナーレを飾る

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3年間で15試合10得点。選手権の申し子、青森山田高MF松木玖生(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.10 選手権決勝 大津高 0-4 青森山田高 国立]

 まさに“選手権の申し子”と言うべきラストステージだった。

 青森山田高MF松木玖生(3年)は、3度目の選手権で自身にとっての初優勝を飾った。高校入学直後からレギュラーを勝ち獲った松木は、1年時の選手権で5試合に出場して4得点、10番を背負った2年時の選手権も同じく5試合に出場して2得点を挙げ、チームの決勝進出に大きく貢献した。

 迎えた今大会も全5試合にスタメンで登場し、決勝でのゴールを含む4得点を記録。3年間で選手権通算15試合出場10得点という記録を打ち立てた。首都圏開催となった1976年度以降の選手権において、3年以上連続で決勝まで進出した高校は、00年度から03年度までの国見高(長崎)と18年度から21年度までの青森山田の2校しかないが、高校在学中の3年間で初戦から決勝までの出場し得る選手権の全試合でプレーしたのは、01年度から03年度までの3大会で国見のMFとして活躍した中村北斗氏(15試合出場1得点)と松木の2人のみ。この事実からも、“記録”にも“記憶”にも残る選手として、大会史にその名を刻んだことが証明されている。

 なお、首都圏開催以降の選手権で通算15試合に出場しているもう1人の選手は、現在大宮アルディージャでコーチを務める北嶋秀朗氏。市立船橋高(千葉)で1年時の94年度に優勝、2年時の95年度にベスト8、3年時の96年度に再び優勝を勝ち獲ったストライカーは、15試合16得点と試合数を上回る得点数を叩き出し、2度の日本一を経験するなど、一躍脚光を浴びた。

 また、選手権通算の得点数で北嶋氏を1点上回り、17得点という大会記録を保持しているのは“平成の怪物”として知られる平山相太氏。国見のストライカーとして、中村氏と同じく01年度に選手権デビューを果たした平山氏は3年間で14試合に出場し、1年時に1ゴール、2年時の02年度に7ゴール、3年時の03年度に9ゴールをマーク。02年度と03年度で達成した2大会連続での得点王も、大会史上唯一の記録として知られている。

 3年間という限られた時間の中で、チームと個人の力が融合して、初めて実現する数々の大会記録。「これは仲間と一緒に獲った三冠なので、このあと仲間と喜び合いたいと思います」と試合後のインタビューで語った松木が成し遂げた、15試合出場10得点という選手権での通算成績が、まさに第100回という記念大会を制した青森山田の主将にふさわしい大記録であることは間違いない。

(取材・文 土屋雅史)

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