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DFラングフォードとFWディアロを筆頭に昨季からの主力多数。夏は全国に一歩及ばず、選手権で初の全国狙う札幌創成

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札幌創成高の注目エースFWディアロ航

 あと一歩届かなかった悔しさを、冬に晴らす。札幌創成高は、第101回全国高校サッカー選手権で初の全国出場を目指す。夏のインターハイは、北海道大会の準決勝で旭川実高に1-2で敗れ、2枠ある全国出場権を逃した。しかし、内容面では十分にチャンスのあるゲームだった。鏑木正彦監督は「最後の仕事をできるか、できないかで差が出たと思う。サッカーの質を追求してやっていくしかない。時折うまくいっていた場面があったけど、それをコンスタントにできれば。そのためには、もっと状況を把握できるようにならないといけない」と話し、冬の再挑戦を見据えていた。

 旭川実戦では、4バックの組み立てからアンカーのMF大坂悠斗(3年)を経由して右FW佐々木統吾(3年)がサイドアタックを繰り出したが崩しきれず、そのうち相手の守備に対応されてショートカウンターを受けるようになった。主将を務めるDFラングフォード海渡(3年)は、スコットランド系カナダ人の父と、日本人の母を持つハーフで、コーチングや対人の強さ、広範囲へのフィードと武器の多いセンターバック。0-1から追加点を奪われた場面では、バイタルエリアに入って来た相手を味方が複数で囲い込んだが、隙間からシュートを決められてしまい「攻撃は、敵陣までは進めたけど、シュートを打てなかった。守備では、チームとして対人の細かいところで詰めが甘かった。練習から意識を変えていかないと、冬も同じことになる」と悔しがっていた。

 夏は、力が足りなかった部分と、力を出せなかった部分があったと言える。準決勝は、エースFWディアロ航(3年)が負傷を抱え、後半からしか出場できなかった。ディアロは、それでも左からのカットインシュートで1得点。似たような場面がもう一度訪れたが決めきれず「成長しないといけない部分」と話していたが、その後のプリンスリーグ北海道でも得点源として活躍し、チームトップの5得点を挙げている(9月24日時点)。ギニア人の父と日本人の母を持つ、体格とスピードに恵まれたアタッカーで「みんなを魅了できる選手になりたい」と話すエースの活躍は、冬の躍進に不可欠だ。

 プリンスリーグ北海道では、旭川実と札幌大谷高の首位争いから離された3位争い。安定感では2校に及ばないが、上位とも互角の戦いを見せている。ラングフォードとディアロを筆頭に昨季から主力の選手も多く、積み重ねてきた経験を生かしたい。夏に持ち帰った課題が解決できているかどうかがカギを握る。第101回全国高校サッカー選手権の北海道大会は9月16日に組み合わせ抽選が行われ、札幌創成の初戦は、10月15日に行われる1回戦の稚内大谷高戦に決まった。勝てば、プリンスリーグ北海道で2位につける強豪の札幌大谷と2回戦で対戦する。チームの新たな歴史を刻めるか。初の全国切符獲得に向けた再挑戦が始まる。

(取材・文 平野貴也)
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