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明桜勢いづけた2年生FW臼田成那。速さと強さ兼備、北海道出身のストライカーが秋田で台頭中

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前半5分、明桜高の2年生FW臼田成那が右サイドを突破し、先制点をアシスト

[10.19 選手権秋田県予選準決勝 明桜高 10-0 秋田南高 ソユスタ]

 2年ぶりの選手権出場を狙う明桜高が、秋田県予選準決勝で10発大勝。スピードとフィジカルの強さを兼ね備えた2年生FW臼田成那(北海道コンサドーレ旭川U-15出身)がブルーのユニフォームを勢いづけた。

 前半5分、右サイドで縦パスに反応。「ゴール獲ることを最優先に考えていて、自分はちょっとスピードとフィジカルがあるので強引に行こうと」相手CBを外側から抜き去る。そして、マイナスのラストパス。これをFW藤山成弥(3年)が右足で決めて先制した。

 原美彦監督が「あの子の速さと前に進んでいく強さはずば抜けている」と評するFWは、この後も力強い抜け出しとシュート、そしてポスト直撃のヘディングシュート。前線で存在感を放っていた臼田は前半20分、MF小笠原義斗(3年)のミドルシュートのこぼれを押し込み、2点目を挙げた。

 臼田は昨年、負傷離脱している期間に筋トレを重ねて10kgもの増量に成功。前線で見せる強さに加え、50m走6秒台前半のスピードが印象的だ。この日はDFを引き付けて周囲を活かすプレーも。明桜の3点目は臼田がニアで潰れ、抜け出したMF大町璃音(3年)が決めたゴールだった。

 他にも自分が囮になってスペースを創出。「スルーは一つ得意なプレーです。連係のところは結構(中学時代のチームメートでプレーメーカーのMF小笠原)義斗ともやっているので楽しみながらやっています」。一方で、得点力とプレー精度の向上は課題となっている。

 臼田はインターハイ1回戦でプレミアリーグ勢の履正社高(大阪)から同点ゴールを決めている。だが、プリンスリーグ東北では3得点。「自分の落ち着きがなかったり、空回りして焦ったりしてしまっている」と自己分析する。今大会も2試合連続ゴールこそ決めているが、まだまだ物足りない。

「自分はまずゴールを獲ってこいという感じで言われている。ゴールに対する気持ちは強いです。(迷うことなく)もっと貪欲にゴールを狙って、クロスに合わせるのも得意なので、もっと貪欲に行きたいです」

 北海道から「一つは自立したかったのと、北海道にいるよりも出た方が色々な相手とできるので」秋田、東北で台頭中の明桜へ進学した。選手権出場は大きな目標だ。「高校入学する時に立ちたい舞台でした。(同じ北海道出身で青森山田高で活躍したMF)松木玖生選手とか見ているので、活躍して応援してくれる人への恩返しと、夢に近づけるように頑張りたい。チームを勝たせる選手になりたいです」と誓う。神村学園高(鹿児島)の高校最強ストライカー、FW福田師王(3年)のように何でもできる、チームを勝たせるFWが目標。決勝でも必ずゴールを決め、憧れの選手権の舞台で活躍する。

(取材・文 吉田太郎)
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