[10.29 高校選手権岡山県予選準決勝 岡山学芸館高 4-1 創志学園高 津山市陸上競技場]

　第101回全国高校サッカー選手権岡山県予選準決勝が29日に行われ、第1試合では岡山学芸館高が創志学園高を4-1で下し、11月5日の決勝に駒を進めた。

　前半は一進一退の攻防。同4分(40分ハーフ)に創志学園は右サイドから抜け出したFW牧田啓佑(3年)が右足で狙うが、岡山学芸館GK平塚仁(2年)がセーブ。同8分には岡山学芸館FW木村奏人(2年)がエリア内右サイドから狙うも、大きく上に外れた。同24分には岡山学芸館FW今井拓人(3年)がロングボールに反応して抜け出し、創志学園GK竹永匡槻(1年)もかわしたが、無人のゴールへのシュートは上に外れて決まらない。

　このプレー直後の前半25分、先制したのは創志学園だった。左サイドで得たFKをMF川上蒼太(2年)がファーサイドへ。飛び込んだFW安部謙伸(3年)がヘッドで合わせてネットを揺らした。

　セットプレーから今予選初失点を喫してリードを奪われた岡山学芸館だが、すぐさま追い付く。前半29分、MF岡本温叶(3年)の蹴った右CKがニアサイドの混戦を抜けてファーサイドへ流れると、走り込んだDF田口大慎(3年)が右足で蹴り込んだ。

　1-1で迎えた後半は岡山学芸館がボール支配率を高め、相手陣内で試合を進めながらゴールに迫るが、創志学園も粘りの守備で対抗。右SB小森山郁真(3年)、CB小椋悠貴(3年)を中心に相手の侵入を防ぎ、カウンターで勝ち越し点を狙う。

　押し気味に進めながらもスコアを動かせなかった岡山学芸館だが、なおも攻め続けて逆転ゴールを奪う。後半29分、左CKを岡本がニアサイドで送ると、混戦の中で今井が右足の太ももに当てて押し込んだ。

　これで勢いづいた岡山学芸館は後半32分にも、岡本のセンタリングを田口がヘッドで合わせ、この日2点目を奪ってリードを2点に広げる。最後は同アディショナルタイム1分、今井が中央からミドルシュートを決めて4点目。終盤に入って一気にたたみかけ、逆転勝利を収めた。

　岡山学芸館は、高原良明監督が「逃げのパスが多過ぎて、ウチらしさが全然出せなかった」と振り返った前半は苦しみ、後半もリードを奪うまで時間がかかったものの、最後は得点差を広げて勝利。キャプテンのDF井上斗嵩(3年)が「練習で0-1の状況から紅白戦をして、リードされたときをイメージして練習していたので、焦らずプレーできた」と語る成果を発揮して勝ち上がった。

　今年度は全国高校総体(インターハイ)で2年連続のベスト8、プリンスリーグ中国では今予選に伴う中断前まで無敗(7勝5分)と力のあるところを見せている。2年連続5回目の選手権出場と、新人戦、インターハイ予選に続く県内3冠を狙う決勝に向けて、高原監督は「選手たちには今日も『相手ではなく、自分自身だよ』と話していて、いかに弱い部分に打ち勝って、100パーセントの力を出し切れるかだけ、と言っている。とにかく全力で臨むだけ」と意気込んでいた。

(取材・文　石倉利英)

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