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[MOM4054]松本国際FW高城泰史(3年)_2得点に絡んだ逆転勝利の立役者!! 成長へとつなげた“2年前の悔し涙”

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松本国際高FW高城泰史(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[10.29 選手権長野県準決勝 松本国際 2-1 都市大塩尻 サンプロアルウィン]

 技術力の高い選手が多い松本国際高の中で、FW高城泰史(3年)が放つ存在感とプレーは異質とも言える。力強い突破が持ち味でボールが入れば、簡単には止まらない。他の選手ならヘディングで対応するボールを胸トラップで処理できるジャンプ力もある。そして、何より何度も繰り返す「俺が、俺が」という言葉からストライカーとして必要な我の強さを感じる。

 この日は昨年の選手権予選で敗れた準決勝。リベンジを強く意識していたが、「入りはいつも悪い」(高城)という悪い癖が出て、試合序盤から後ろが落ち着かず、良い形で高城にボールが入らない。35分には都市大塩尻高のMF平松知也(3年)に先制点を決められ、追い掛ける展開を強いられたが、高城にとっては好都合。「自分的には焦りはなくて、逆に火が付いた。自分が決めて勢いづかせようと思っていました」と振り返る。

 言葉通り、38分にはDF元木竜矢(3年)が自陣から入れた縦パスに相手エリアの右で受けると、ドリブルでゴール前に侵入。後ろでサポートに入ったMF佐々木晄汰(2年)が目に入り、ヒールパスも選択肢に浮かんだが、「自分が決めて勢いづかせたいなと思った」と強引にDFを剥がして打ったシュートが同点ゴールとなった。

「あそこ(高城)にどれだけ入るかが鍵」と勝沢勝監督が話す存在だが、後半は受けるアクションが減ったこともあり、なかなか良い形でボールが入らない。チーム全体としてもシュートまで持ち込む場面が少なくなっていたが、後半30分には、中央のスペースを運んだMF二木楓(3年)からゴール前にスルーパスが入った。「ボールを持った時、背負った時にCBに勝てると思っていたので、縦パスが良い形で入ってきたら、絶対に前を向こうと思っていた」と振り返る高城は、ターンから強引にゴール前に抜け出してシュート。この一撃は相手守備陣に阻まれたが、こぼれ球をDF北村健(3年)が決めると、このゴールが決勝点となり、松本国際が2-1で勝利した。

 中学時代は横浜市立宮田中でプレー。現在のチームメイトでもあるGK浜田万生(3年)とMF岸琢人(3年)をチェックしに、トレセンの試合に訪れた勝沢勝監督の目に留まった。元々は地元の公立高に進むつもりでいたが、両親から寮生活を勧められたこともあり、松本国際への入学を決意。1年目から出場機会を掴み、12月末の選手権ではスタメン出場を果たしたが、京都橘に何もさせてもらえなかった。ハーフタイムにベンチへと下がった高城は不甲斐なさから悔し涙を流したという。

 当時の経験が、絶対的なストライカーとして君臨する今に繋がっている。長所である身体の強さを伸ばすためウェイトトレーニングを毎日こなした結果、60kgが限界だったベンチプレスは110㎏まで上がるようになった。ドリブル練習にも精を出し、一人でゴール前まで持ち込めるようになったのも成長の証。そして、何よりも「気持ち的に、“自分が自分が”って行く所もあっても良いかなと思うようになってきた」。

 涙を流した2年前からの成長を示すためにも、もう県内で負けるわけにはいけない。「全国で悔し涙を流したので、全国でその借りを返さないといけない。まずは次の一戦に集中して、絶対に勝ちたい。全国に出て、点を決めたいです」。そう意気込む高城の視線は次戦とその先に向いている。
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(取材・文 森田将義)

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