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[MOM4057]高川学園FW山本吟侍(2年)_先を見据えて強化中の注目FWが2発。得点王から代表、プロへ

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前半25分、高川学園高FW山本吟侍(2年=高川学園中出身)が先制ヘッド

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[10.30 選手権山口県予選準々決勝 高川学園高 5-0 山口県鴻城高 おのサンサッカーパーク]

 先を見据えて強化中のストライカーが2ゴールだ。高川学園高のFW山本吟侍(2年=高川学園中出身)は、前半25分に右クロスから距離の長いヘディングシュートで先制点。「チームを乗らせてやろうと思って。気持ちで押し込めた」という一撃でチームを勢いづけると、後半開始直後にも右クロスを左足で巧みに合わせて2点目を挙げた。

「自分で言うのも何ですけれど、シュートはセンスがあると思います」と微笑む。その言葉通り、ゴールシーン以外にもドリブルシュートやヘディングシュートを枠へ。一方で相手GK、DFの好守があったとは言え、2得点に終わったこと、また前半2分のファーストチャンスで決め切れなかったことは次への課題となった。

 それでも、前線での守備、浮き球を胸で収めてのポストプレー、スルーパスでのチャンスメークなど前線で存在感。「練習からシュートしかやっていないし、江本(孝)先生から『シュートこだわれ』と言われているので、意識してやっています」というシュートでも違いを示した。

 6月のインターハイ予選決勝で肋骨を負傷。痛めた箇所を庇って腰痛を発症してしまった山本は、「(その後、計)3か月サッカーしていないんですよ」。だが、完全に休養を取って1か月前に復帰。高校年代ナンバー1ストライカーから学んだことや江本監督に組んでもらっている強化プログラムの中で、新たな進化をしてきている。

 高川学園が交流している強豪校の一つが神村学園高。8月、9月と練習試合を行い、山本は先日、ボルシアMG入りが発表されたU-19日本代表候補FW福田師王(3年)と会話する機会を得た。「聞いたら『点を獲るしか考えていない』、と言っていました。FWで大事なこと、動き出しとか聞いて、シンプルにゴールへ直結することを教えてもらいました」。福田は点を獲るために守備でもハードワークし、誰よりもシュート練習を重ねている選手だ。

 刺激を受けた山本は日常からシュート練習を反復。得意とする武器をさらに磨いている。そして、「試合でも守備を意識しているんですけれども、最近は自分でも練習の積み重ねが試合に出ていると思っています」。また、元陸上選手でスプリント向上のために招聘された杉本渉コーチの指導で走り方を改善中。速さを求めてのスクワット練習や、天然芝ピッチで流されないように足を前へ運ぶことに意識して取り組んでいる。

 杉本コーチは「(山本は)ポテンシャルがあります。もっと速くなる」と期待。山本は速い方の選手ではないが、カウンターからのロングスプリントなど効果を実感している部分があるという。福田との交流や杉本コーチの指導は、将来を見据えてのこと。より高いレベルを意識すると同時に山本が求めるのは結果だ。

 山本は今年7月、U-16日本代表候補合宿に初選出。練習試合で交代直後にFKキッカーを志願し、それを直接決めるなどアピールした。「身体の当たりやシュートは負けていなかったと思うので、そこは自信になりました」。一方で怪我が続き、代表に定着できなかったことを猛省。10月のAFC U17選手権予選を全勝で終えたU-16日本代表の活躍は「悔しいです」と振り返る。

 U-16世代のFWはFW徳田誉(鹿島ユース)、FW道脇豊(熊本ユース)やFW木吹翔太(広島ユース)ら逸材揃い。だが、山本は「ボクを入れて貰えれば高さもそうですし、(他のFWは)全員ポストプレーできるので自分のアイディアとかパスで出してもう一回受けたりすれば、もっとバリエーションが増えると思う」。代表チームに再び呼ばれるために今冬、結果でアピールする考えだ。

 インターハイは怪我でチームに迷惑を掛けてしまい、初戦敗退。何より、チームのために走り、決めることを考えている。今後の選手権での戦いへ向けて、「江本先生から『決めるべきやつが決めたら乗る』と言われていて、それは自分だと思っているので、(予選準決勝、決勝は)どっちも先制点を獲ってチームを乗せていきたい。今、FWだったら福田師王選手が注目されると思うんですけれども、選手権で結果を残せればプロのスカウトさんも見ていると思うので、そこは自分も得点王を狙って。まずは県大会勝たないといけない」と宣言。神村学園との練習試合でゴールを決めて勝たせるなど全国でもやれる自信はある。選手権得点王から代表、プロへ――。注目の2年生ストライカーが勝負の秋、冬に挑む。

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(取材・文 吉田太郎)

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